Quantcast
Channel: マンガソムリエ兎来栄寿のブログ 先刻の箚記(さっきのさっき)
Viewing all 1280 articles
Browse latest View live

咲-Saki-阿知賀編 聖地吉野でのイベント2013春 5

$
0
0

咲-Saki-阿知賀編のネタバレ含みますので、単行本派の方はご注意下さい。

























という訳で、今回最も撮りたかった場所の内の一つがここです。

photo:01

ガンガンのCMでも出ていた、最終話カラー見開きのこの一枚絵。
清澄に先駆けて決勝進出を決めた阿知賀女子を象徴しつつ、その起源となった頃を感慨深く思わせてくれる最高のラスト。


photo:02

メインストリートでこの時期は往来が激しいので、早朝の人の居ない時間でないと難しいカット。

もうカメラが接地する程のローアングルからなので、色々な意味で人が居ない時でないと撮れません。
パトカーも普通に走ってましたしね( ´▽`;)

しかし、無事にここを抑えられた事は良かったです。


photo:03

とりあえず、すぐその先でおは松実館。
朝早くから笑顔でお掃除に勤しむ松実玄さんの健気さ。


そして、同じく人通りが多くて昨日上手く撮り切れなかった、15話冒頭の背景

photo:04

photo:05

御幸の芝。


ここも上千本なので既にそれなりに歩いている訳ですが……
時刻は6時前。
帰って朝食の時間までレポートをしたためる?
否、折角吉野に来ているのにそんな選択肢は有り得ません!

上千本の更に上、奥千本には桜も残っていると聞きました。

なら、行くしかないですよね!(*'ヮ'*)

奥千本行のバスは、咲-Saki-オンリーでの薄荷屋さん位の大行列で、歩いて行くのは相当に大変です。


photo:06

photo:07

photo:08

しかし、神気に満ちた吉野。
鶯の囀りを聞きながら、朝の凛とした空気の中で進める足取りは、決して重いものではありませんでした。

吉野で迎える日の出の厳かさ。

山と一体になる感覚を少し覚えつつ、奥駆道を奥へ奥へ。


photo:09

photo:10

穏乃がこの辺を駆け回っていそうですね。


photo:11

本当に、風光明媚な場所です。
これで桜が満開だったらどうなってしまうのでしょう。


そして、1時間強をかけて頂上へ到達!

photo:12

photo:19

奥千本でも桜は散り気味でしたが、十分に美しく魂に沁みる光景がそこにありました。
苦労も一瞬で飛んで行きます。


本当は、穏乃が佇んでいた岩を見付けたかったのですが、流石に困難を極めました。
photo:15

photo:14

緑のない岩壁がなかなか無く。


photo:16

photo:17

photo:18

まあ、こんな景色を味わえた満足感で全て事もなし。



小話としては、頂上でもソフトバンクiPhoneが繋がったのですが、それを呟こうとしたら通信エラーが出るという愉快な状況が( ̄▽ ̄)


下山は下山で体力と集中力を要します。
7時にもなると、既にかなり人が出て来ます。
早起きして、見開きカットを押さえられて良かったです。


朝からまたお腹ぺっこりんになり、麓の歌藤さんへ帰還。

photo:20

バイキングで朝食をたっぷり頂きました(^-^)
歌藤さんでは、お薦めの卵が凄まじく美味しく、玉子焼きも玉子粥も最高で、最後にTKGをおかわりしてしまうほどでした。
歌藤さんに宿泊される方は卵に注目してみて下さい(笑)

咲-Saki-阿知賀編 聖地吉野でのイベント2013春 6

$
0
0

続・二日目編。




この記事は特に単行本派の方にもネタバレはありませんのでご安心を。





歌藤さんで朝食後、最後にもう一度温泉を頂いて旅立ちました。



七曲りの道を降りると、太極拳的な体操をされている年配の方の姿も。
こんな所で運動したら気持ちいいでしょうね~。



そして、吉野駅前は昨日と同じく大盛況。



photo:01

松実玄さんも大わらわですね。


出店も多数、バスは長蛇の列です。




そんな中、名残惜しくも吉野山を去って大和上市駅へ向かいます。








photo:05
足元にも吉野桜のレリーフ(^-^)






そして、吉野町観光案内所に出来たという、咲-Saki-コーナーへ。





photo:03


photo:04
しっかりと咲の文字が!








photo:02
おお~(*゚▽゚*)

交流ノートを見ると、皆さんの日本全国から来ており、本当に愛されている作品だという事が解ります。


コミックスが本編・阿知賀編共に3巻までしかないので、持って来て寄贈すれば良かったですね(笑)







この日はこちらを起点にレンタサイクルで、前回周れなかった所を中心に巡礼。

この旅に、地元民で前回来た時にもお世話になったね~るさんに今回も同行して貰いました。

咲-Saki-にジョジョにまどマギにガルパンに野球などなど、共通の好みも多く気が合います(^-^)






http://anime.geocities.jp/hidesankyoto/atiga/annai.html

今回のこの探訪では、「やましろ☆探訪記」のひでさんの記事を大変参考にさせて頂きました。







まずは、松実玄さんがおわした3巻表紙地点へ!


観光案内所から程近い場所です。




photo:13

photo:14
ああ……松実玄さんの息吹が感じられますね。

この際、錯覚でも構わないです。
ちなみに、他の方の探訪記事でも度々見掛けた手前に停留しているスーパーカブ、この日も見受けられました(笑)


続いて、本編102局の扉絵を撮りに行ったのですが……事前に用意した画像を誤って消してしまったようで涙。

ひでさんのサイトの画像で確認しつつ、ね~るさんの持参したねんどろいども借りて撮影。




photo:15

帰ってから本誌で確認したら、やっぱり場所が違いましたね。

しかし、今後もしかしたら使われる可能性もある、と前向き精神で一応掲載。





そして、一番のお目当てだった此処へ!

photo:09

photo:06
松実玄さんが灼ちゃんを勧誘しに行った時に渡っておられた橋!


この時の麦藁ワンピース姿は、松実玄さんの清楚さと可憐さを極限まで引き立てる至高の装い。


私が1年以上もiPhoneの背景画像に使っているのも無理からぬ事ですよ。



細部はちょっと違いますが、右端の家の形はそのまんまですね。



そのすぐ先が、灼ちゃんと穏乃のいる二巻の表紙になっています。

photo:10
photo:07

あれ、今見たらちょっと撮る場所間違えてますね……><

ともあれ、ここで写真を撮っていると、地元のおじ様に遭遇。

お話をさせて頂くと「咲」の事をご存知で、他にも巡礼している人が沢山来ているとの事。

更にこの奥に進むと存在する1巻表紙の場所へ案内して頂きました!



photo:11

photo:12

ふぅ~む、なるほどなるほどなるほど~!

始まりたる1巻表紙はテンション上がりますね。
おじさまと色々と雑談しつつ。

吉野の人、あったか~い。







そして、近くの場所を一通り巡ったので少しばかり遠出するターンに。
目標は、ハルエニッキでも描かれた阿知賀女子が河水浴をしていた場所!

その途中、前回押さえた所ですが、通り掛かったので5巻の見開きカラーの場所も。




photo:16

photo:17

photo:18

若干、進撃ののどっちというワードが頭に。
ハナガ、ハナガサイテタヨ。





川上の方へ進んでいる途中に、ね~るさん推薦のラーメン屋、その名も「河」があるという事で、面白い場所にあるそのお店へ向かいました。

が、「河」は最近大人気らしく、この日も12時前で様々な場所からバイクや車で訪れている20人以上の行列で既に完売御礼。

折角なので食べたかったですが……いつかまた機会があれば。





そんなこんなで、ハルエニッキにアップされていた画像の橋が見える場所へ!

動物の足跡などもあり、なかなkワイルドな場所。

和程には都会のもやしっ子でもないので、分け入って行きましたけれど(笑)



photo:20


photo:19


photo:21

降雨量などで川の形や状況は変わってしまいますが……橋は大体同じように見えます。

画像のアングルは急な流れに遮られていて、断念。

余談ですが、ここに来る途中のトンネル、歩道が狭過ぎて自転車だと結構怖かったです(笑)

自転車で行こうという方はご注意あれ。



しかし……



photo:22

熊野まで80km以上ある所から走って行ってしまう穏乃は馬鹿体力どころの騒ぎではありませんね( ̄▽ ̄)





photo:23

途中には吉野高校も。

阿知賀女子と遊ぶならこの高校でしょうか。

羨まけしからんですね。





そして、河の方からひたすら逆方向に驀進。

目指すはいよいよ阿知賀です!







咲-Saki-阿知賀編 聖地吉野でのイベント2013春 7

$
0
0

こちらも特にネタバレは無しです。


ハルエニッキの川辺から数十分程漕ぎ続け……遂に!


photo:24

阿知賀に到着!
この3文字を見るだけで感動と興奮に身をよじっていた身としては、大変にテンションが上がりました!


photo:25

守りたい、あちがっ子の笑顔。

photo:26

しかし、この阿知賀。
赤白黄色のチューリップは咲いていますし……

photo:33

蝶々達は飛び回っていますし……

photo:34

なんだ、ただの楽園ですか。

灼ちゃんのお祖母様と思しき方のカラオ……もとい天上の歌声も聞こえてきます。


photo:27
photo:11
どんな物であっても、阿知賀の3文字が私を奮い立たせます。


そして、巡礼ポイントへ。

photo:28

photo:29
3巻収録の番外編冒頭の背景。
見事に阿知賀!
ギバード達はこの辺に住んでいるという設定でしょうか。


そんなギバード達が行っているであろう学校。

photo:30

残念ながら、現在は廃校になってしまっていますが……

photo:31

チューリップの絵に囲まれた「大好き阿知賀小学校」の文字が涙を誘います。

photo:32

廃校になっているとはいえ、割と綺麗です。
デザイン的にも、少し阿知賀女子学院に通じるものが……?
ただ、止まった時計が哀愁を感じさせます。


そして、阿知賀

photo:14
photo:01
photo:35

本編9巻掲載の番外編ではカラーで和が歩いていた道。
阿知賀編16話「憧憬」でも、部長としての責任を負った灼ちゃんも同じ道を歩いていました。
本編・阿知賀編両方で登場したこの場所は、なかなかに感慨深いです。

photo:08
写っている電線にもしっかり「アチガ」の文字。


この阿知賀には、「阿知賀美容院」という名の美容院があるのですが、どうやらそこの時計も止まっており廃業していた模様。

その代わりにあったのが……

photo:03

ひさ美容室!
???「上埜さんが美容院を開院したと聞きまして」
阿知賀のオシャレはひさ美容室におまかせあれ!



何だかんだで2時を回り、走り詰めでお腹が減った頃。
とある看板が目に止まりました。

photo:02

くまそば!

地元民のね~るさんも知らない謎のお店、くまそば。
何でも、長野で修行したらしいです。
阿知賀……長野……
これらの符号が示すものが一つ!

という訳で、くまそばへ急行。

「くまそば50m」と書いてある看板からが意外と遠いです(笑)
2回ほど曲がって急な登り坂を登攀しつつ、何とか到着!

photo:04


ん?


photo:01

冬眠しとる場合かーッ!(゜口゜)
思わずシュトロハイムのようなツッコミをしたくなりつつ。
しろくまカフェのグリズリーさんだったら、叩き起こされている所です。


まあ、冬眠しているものは仕方ありません。

減ったお腹は、大和上市駅まで戻って満たすことに。

殆ど選択肢は無い中で、繁忙期の筈のこの時期に片方が休業中(笑)
良いですね。
そんなスタイル、私は嫌いじゃありません。

という訳で、もう一択の居酒屋「いなほ」さんへ。

photo:05

お店の外も中も、猫推しのいいお店です。
しかもたぬき。
たぬきと云えば五十嵐あぐり先生。
これは縁起も良いですよ。
photo:06

町長さんによって、毎年イルミネーションされ保育所のようになるとか。
4月の桜のこの時期に「Merry Cristmas」。
なんもかんも素敵です。

photo:07

お通しが東京と違って4品もあって豪華!
と思ったら、奈良でも珍しいとか(笑)
しかし、この緑のペーストが和えてある筍は珍しいですね。
焼き鳥や豚キムチ餃子に舌鼓を打ちながら、気持ち良く空腹を満たしました。

「ありがとうございまーす」の発音が印象的な女将さんには、ばら寿司やデザートの焼きマシュマロなど色々サービスして頂きました。
観光案内所から30秒程のこのお店。
サイクリングでお腹が減ったら立ち寄るのも良いと思います。
レタスベーコンがボリュームたっぷりでお薦めです。


観光案内所に戻り、ね~るさんとも吉野ともお別れ。

本当に楽しい時間でした。



そして、その後は阿知賀女子の皆の行動範囲を想像し、特に舞台にはなっていないけれど彼女たちが行きそうな所へ。

私服姿は色々と可愛い服を披露してくれる松実玄さんや憧ちゃん。
吉野に住む女の子がそういった服を買いに行くとしたらどこか?
ね~るさんい尋ねた所、「大阪か橿原ダイアモンドシティ」との事でした。

という事で、近鉄吉野線から橿原神宮前駅に出て、大和八木駅へ。
そこからバスを使って行くのが、ダイアモンドシティ橿原にあるイオンモール橿原アルル。

バスでは、奈良交通専用ICカードの「シーカ」なるものも(笑)

photo:12


バスに揺られて、アルルへ。

photo:09

photo:10

大きい……!
周囲には、巨大なエディオンや洋服の青山なども。

入ってもビックリしたのが、天井がとても広いこと。
ヒルズやミッドタウン、ラフォーレや109には行き慣れている都民ですが、アルルには吃驚。

入っているお店の充実ぶりから、阿知賀女子のオシャレさにも納得がいきました。
松実玄さんに似合いそうな服も多数。

アパレルショップ以外にも、100円ショップ、レストラン、カフェ、クレープ屋、映画館、ゲームセンターなど何でもある感じでした。

安価なデザートバイキングなどもあり、興味を示していそうです。
リアルな奈良のJKの会話も聞こえて来て、大変参考になりました。

photo:01

屋上の駐車場も兎に角広い!
停め放題ですね。
遠景には奈良の山々が見えます。

photo:02

普通にアルル周辺の道を歩いている筈が、何故か仗助がハイウェイスターから逃走する時のような道を歩かされていたり……
よく解らなさ過ぎて怖いです。


更に、後で別の奈良県民の方に聞いた話によれば、イオンモール郡山はもっと大きいとか……
奈良、恐るべしです。


しかし、この日一日の体験によって、ますます深く阿知賀女子の気持ちを理解する事が出来たと思います。
そろそろ二次創作でもしてイベントにサークル参加でもしたい勢いです。

実に有意義で充実した二日間でした(^-^)



photo:13

何処にいても奈良の夕暮れは美しい……

LINEマンガ オレンジ・マーマレード

$
0
0
最近始まった、LINEの新しいサービス「LINEマンガ」。
スマートフォンなどの端末で気軽に読め、3万冊以上を配信との事です。

マンガソムリエとしては、漫画と名の付く物であれば触れておかない訳には。

という訳で早速DL。


photo:01

最近の話題作も、概ね1冊500コイン前後(1コイン=1円)で販売されています。
価格は紙の本と同じですね。


photo:02

各作品の1巻については、2~30P程の試し読みが可能となっています。
どんな作品か感じを掴むには良いかもしれません。


photo:03

読み心地もサクサクで、悪くありません。


photo:04

レビューも投稿できる模様。


photo:06

雑誌毎のカテゴリではガンガンも。
つまり……


photo:07

咲-Saki-阿知賀編も勿論完備!
何と、阿知賀編は1話丸々90頁以上が試し読めます。
まあ、公式サイトで同じだけ読めるのですが。



photo:05

デラシネマや君の天井は僕の床など、絶妙な所もあるのは嬉しいですね。


photo:11

購入するもスタンプを貰える作品も。
カイジのスタンプは熱いですね。
他にも進撃の巨人、宇宙兄弟、QP、となりの怪物くんなどが対象。



基本的に有料ですが、無料で読める作品も現在90作品程あるようです(ただ、現状それを探す方法がタイトルを打ち込んで検索するしかないのは厳しい所ですが……)。

その中でオススメと話題になっていたのが、『オレンジ・マーマレード』という、アプリ閲覧を想定して創られたフルカラー作品です。


photo:08



photo:09

20XX年。人類に仇なすバンパイア。
その多くを滅ぼし、300年程が経った時代。


photo:10

転校生の白石マリは、バンパイアでありながら、その事を隠し人と関わりを持たぬように過ごしていた。


しかし、ある日電車の中で

photo:12

あまりに美味しそうな匂いにつられ、寝惚けて噛み付いたのは学年一人気のある男子・杉本仁だった――


バンパイアという軸を持った、恋愛漫画です。


photo:13

フルカラーで描かれる美しい背景は特筆物。

そして、縦スクロール閲覧する事を念頭に置かれたコマ割のない画面構成は、読み慣れてなかなか斬新な感覚です。

恋愛物としても、相手に惹かれて行く過程が丁寧に描かれていて好感触。

主人公も仁も割とツンデレ気味でじれったさがあります。
だが、それがいい!
二人の造形も個人的に好み。

1週間に1度の更新ですが、普通に続きが気になりますね。

王道の恋愛モノが好きな女性にオススメです。


70点

ログ・ホライズン1巻 7SEEDS24巻

$
0
0

Twitterで毎日その日発売の漫画を手動で呟いていましたが、折角なのでbotを作りました。
その日発売の全作品を呟いてくれるアカウントが他にあれば良かったのですが、無かったので。
@manga_guide 
がそのアカウントになります。
良かったらフォロー、リスト登録等してみて下さい。



ログ・ホライズン
漫画:ハラカズヒロ 原作:橙乃ままれ 監修:桝田省治

僕達がこの景色を見る
この異世界で最初の<冒険者>だ



『まおゆう魔王勇者』の橙乃ままれさんによる小説のコミカライズ。
『まおゆう』に引き続き、監修に「俺の屍を越えてゆけ」などの桝田省治さん。
2ch発で、渋谷公会堂での朗読劇なども行われ、意欲的なコンテンツメーカーという印象がありますね。

橙乃ままれさんの新作という事で、原作は未読ですが楽しみにしておりました。


老舗MMORPG「エルダー・テイル」に、推定3万人のプレイヤーが閉じ込められてしまった――

photo:01

という設定を聞けば、最近の作品事情に詳しい方は「ソードアート・オンラインじゃないか!」とお思いになる事でしょう。
私もそう思いました。

そして、読んでいても割と「SAO」でした。

photo:02

差異を挙げるとすれば、主人公の熟練プレイヤー・シロエは主人公としては珍しく<付与術師>(エンチャンター)という補助職である事。

photo:03

そして、舞台となっている幻想世界セルデシアは、地球の縮尺を1/2にした世界で、ファンタジー世界でありながら「アキバ」や「ススキノ」といった地名が出て来ること。

人々が絶望に囚われ、無法地帯となった世界で、シロエ一行は<冒険者>として旅立つ――


世界のディティールや、ゲーム感溢れる展開は良いですね。
ただ、シロエの活躍する所がどうしてもキリト君を思い出してしまって仕方ないですが(笑)


1巻の時点ではまだ普通な感じですが、後々の展開はとても面白いようで評判が高く、伊達に橙乃ままれ作品ではないという事らしいです。
期待して続刊を待ちたいと思います。

RPG系のお話が好きな方にお薦めです。


65点。





7SEEDS 24
田村由美

世界はどうしようもなく悲喜こもごもで
目まぐるしくて
そのすべてがかけがえない



既巻紹介 
19巻75点 20巻80点 21巻80点 22巻80巻 23巻80点


巨大隕石により人類が滅びた未来世界。
最後の希望の種として冷凍睡眠させられ、過酷な世界に蘇った者達を描いた群像SFサバイバルストーリー。

2006年には小学館漫画賞少女向け部門を受賞。
「このマンガがすごい!オンナ編2012」では22位。

ああ田村由美先生……
文句無く安定して面白いです。
有難うございます。


今巻では一つの区切りがつけられつつ、新展開へと突入していきます。


この世界においては様々な意味を持たされている「7」という数字。
そして、古事記においては7番目に作られたとされる島、佐渡ヶ島。
花の父親にも「何かあったらそこに行け」と言われた場所。

photo:04

人々は、その島へ集まっていくが、そこで起こるとんでもない事件。
その真相は、この施設は一体何なのか――

ここまで巻数を重ねながら、なお予断を許さない緊張感・サスペンス性は流石です。
早く次を読みたくて堪らないですね。


photo:05

photo:06

今巻、印象的だったのは、遠く離れながらもお互いを想い合い、相手を信じながら強く生きる嵐と花。
いつか二人は再会できるのでしょうか……
もう、連載期間も長くなり、もしその時が実時間的にも相当感慨深い事になりそうです。

ひばりに「嵐はナツという美女と仲良くしていた」とウソをつかれ、嫉妬する花もまた良かったです。


今巻でも、一つ一つの台詞やモノローグが心を揺さぶってきます。
マクロな視点から人間の本質に迫り、ありありと描き出す作品。


しかし、どうやって終わらせるのか見えなかった今作ですが、今巻を読んで何となくその形が見えたような気がします。

圧倒的に面白いので、少女漫画の絵柄ですが男性にもオススメしたいです。


80点。

ルートダブル√B ガンガンオンラインで連載開始

$
0
0

photo:01



原作ゲームについて熱く語った記事はこちら
先月連載開始した√Aの紹介記事はこちら


何度でもお薦めしたい、2012年を、いえ2010年代を代表する傑作AVG「ルートダブル」。


ルートダブルは、2030年の地方都市を舞台に、メルトダウンした原子力施設に閉じ込められてしまった者達を描く、SFサスペンス群像物語。


原作のゲームでは、最初に記憶喪失のレスキュー隊長・笠鷺渡瀬の√Aと、ラボに閉じ込められた高校生・天川夏彦の√Bの二つのルートの内から片方を選択して始めます。

ガンガンオンラインでは、先月から√Aの連載がスタート。
そして、今日から√Bの連載もスタートしました。
今後は、√Aと√Bを交互に隔月連載していくようです。


photo:03

渡瀬達と時を同じく施設にいた夏彦達。
彼らも事故に巻き込まれてしまう。


Aがafter、Bがbeforeの頭文字であるように、√Aのお話は事故発生後の顛末がメインですが、√Bでは事故発生前の数日が描かれて行きます。


photo:07

夏彦は、理由あって同居している悠里、そして幼馴染のましろと共に高校生活を送っていた。

ただ、夏彦の通う学校は少々特殊。

photo:04

この世界の2030年においては、テレパシーやエンパシー、通称BC(ビヨンドコミュニケーション)と呼ばれる能力が社会的に認知され、用いられてる状況。
夏彦達は学校でBCの習熟に努める。

しかし夏彦は、適正度Sランクとされながらも未だに一度も初歩のテレパシーすら使えなかったのだが――


ずっと続くと思われていた平穏な日々。
しかし、どこからか何かがおかしくなって行く。

photo:05

通常起こり得ない事故に遭った叔父からの、不吉な警告。


そして、何かを知る悠里の変貌。

photo:06

果たして、一体何が起きているのか。
事の真相は何なのか。


原作では、√Aに較べれば√Bは緊迫感という意味では劣るので、Bからプレイした人はやや序盤が冗長という感想を抱き易かったようですが……

漫画版では上手く√A√Bが折り重なるように連載されて行くということで、緊迫感と興味を持続し続けられるのでは、と思います。

ただ逆に、この続きが読めるのは二ヶ月後、というのはなかなかに酷かもしれませんね。


という事で、読んで続きが気になった方は原作をやりましょう!(熱い宣伝)

Xbox360版とPC版は内容も全く変わりませんので、プレイ出来る方で是非。

やって損する事はまずない作品です。
万が一つまらなかったら、私に石でも投げつけてくれて構いません。

普段余りゲームをやらないという方にも敢えてオススメしたい、珠玉の物語です。


今後も更新が楽しみですね。

PR: 「PM2.5」大気汚染と健康への影響-政府ネットTV

$
0
0
PM2.5とは何かや、PM2.5の健康への影響について専門家の解説をご紹介します

咲-Saki- 第110局[爆発] 感想

$
0
0

前回記事:祝 連載再開 咲-Saki- 第109局[屈指] ,立-Ritz-阿知賀編 感想


咲-Saki-11巻・阿知賀編5巻の単行本同時発売も近付く昨今、咲好きの紳士淑女の皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか。
今回はまだ現時点で文教堂さんの特典が判らないですが、とりあえずゲーマーズとアニメイトでは全力を出す事が決定しております。



今朝は4時起きだったので、5時頃にヤングガンガンを並べる近所のコンビニで買う事が叶わなかったのですが。


その分、朝一の仕事場が聖地の近く!

なので、終わってからすぐに日比谷公園の穏乃と赤土さんが多治比さんの映像を見ていた聖ベンチへ。

photo:01

右手には阿知賀女子学院の宿舎、帝国ホテル。


photo:02

左手には千里山女子の宿舎、ペニンシュラホテル東京。
その向こうには国際フォーラム。

そんな聖なるオーラをひしひしと感じる場所で、最新話を拝読。


photo:03

そう、今号は永水女子クリアファイルの付録付きです!

本編が12頁とやや物足りないのですが……
それを補って余りあるすばら付録です!┏(*'ヮ'*)┓

Bブロックでは永水一推しの永水ファンとしては、帰りにあと最低4冊は買って行きたい所ですね。

追記
買って来ました。

photo:12






そんなこんなで以下ネタバレ全開感想です。
単行本派の方はご注意下さいませ。























全国個人戦3位たる辻垣内さんの強さと巧さを見せつけられる、東三局。
辻垣内さんの親番で流れ1本場。

photo:04

部長からは、兎に角速度重視という方針を言い渡されているタコス。
覚醒して口調が完全に変化したかと思いきや、語尾の「だじぇ」が健在でした。

photo:06

漫から2900を直撃し、宣言通りに辻垣内さんの親を速攻で蹴ります。
タコスも流石東場だけあり、一進一退の攻防で熱いです。


photo:07

更に東四局でも成香さんから3900をロン。
成香さんの親番を一瞬で流し、余計な流れを与えません。


photo:08

そして、東一局が長かった所から一転、あっという間に南入。

ここで、私待望の野依プロ登場に一人歓喜。
いつ出て来てもおかしくない松実玄さん、そして解説としてそれなりの頻度での登場が見込める野依さんの登場は、私の大きな楽しみです。
なかなか!


photo:09

次のページでも出て来て、今号では3コマ登場!
嬉しい事です。
相変わらず、全ての台詞が一文節。
今後の野依プロ語録の充実も楽しみです。

しかし、プロ達はカツ丼さんにしろ三尋木さんにしろ、クセはあってもその解説内容は確かな物。

野依さんが着目した姫松の漫。


photo:10

漫の手は純チャン三色が見える好配牌。
「爆発カムヒア」が実現し、「導火線に火がついた」漫が、今回のサブタイトルを体現します。


第一ツモからペン七萬。
そして西ツモ切りを一巡挟み、

photo:11

カン8ピン、カン8ソーと連続でツモってテンパイからのラスト2枚の9ソーをツモって、5巡で倍満和了!
何この鬼ヅモ、ずっこい!


親のタコスは痛い痛い親っ被りで、今回の2回の和了分を上回る失点。

これで有珠山以外がほぼ平らになった形です。



photo:05

他校のエース、実力者を速度で制して活躍させない。
それは守りの発想ですが、先鋒にエースを置く学校が多い中で、その力が発揮される前に終わらせてしまおうという考えは理に適っています。

ただ、タコスの特性を普通に考えると、自らの力が発揮できる東場では大きく稼ぎ、南場で守りとスピードを重視するという風にした方が良い気もします。

勿論、ブルブル震えていて可愛い有珠山の成香さんがどんな能力を隠し持っているのか解りませんから、結果的にはしていたかもしれない失点を防いだのかもしれませんが。
真に怖いのは有珠山の爆発です。
ちなみに、有珠山は活火山だそうですので、爆発的な意味で対比させて行く可能性も無きにしも非ずですね。


ときに、タコスの鳴いて早和了りするスタイルは奇しくも幼い頃の姿が似ている新子憧ちゃんも彷彿とさせます。
憧ちゃんもセーラ戦では対等に渡り合っているように見えながらも、大きな和了の多いセーラは獲得点数では圧倒的でした。
それこそ、3900を3回刻んでも12000を1回和了されれば負けてしまうのですから。
一度も振り込まずとも負けてしまえるのもまた麻雀。


とはいえ、新道寺の安河内さんも準決勝では安手の早和了スタイルに切り替えて、そちらはかなり功を奏していました。

タコスのスタイル変更は吉と出るか凶と出るか。

今後の戦局はどうなって行くのか。

わからない!
面白い‼


残念ながら次号休載ですけれど、コミックス発売もありますので、黒糖でも齧りながら気長に待ちましょう。

PR: 「PM2.5」大気汚染と健康への影響-政府ネットTV

$
0
0
PM2.5とは何かや、PM2.5の健康への影響について専門家の解説をご紹介します

農林水産省食堂 手しごとや咲くら

$
0
0

咲-Saki-の聖地である日比谷公園の真裏、霞口を出てすぐそこにある、農林水産省。
の、北別館。


その中には、一般人でも入れる食堂「咲くら」があります。
咲クラスタ的には名前だけで行く価値がありますね(笑)

警備員さんに笑顔で会釈しつつ入館。


開店3分前程に行くと、お年を召されたご夫婦の方々などを中心に数名の行列。


photo:01

グランドメニューを見る前から君に決めた!
漬け丼御膳!
キャフェテリアという表記にお役所らしさを感じつつ。


photo:02

中に入ると、定食列と単品列に別れます。
定食も季節毎に変わるようですが、こんな感じでした。


photo:03

単品コーナーもラインナップは充実。


photo:04

photo:05

一品一品に自給率とカロリーが記してある所が農林水産省らしくて面白いですね。
特に魚系メニューが充実している印象。


photo:06

各食材の産地なども記載。



photo:07

注文した漬け丼御膳は、梅肉ソースがかかっていて独特の味。
650円でこの構成なら、なかなかのお得感です。



入店までは物々しさもありますが、店内は嵐や西野カナなどの曲も流れカジュアルな感じです。


photo:08

次長課長さんなど有名人のサインまで展示してありました(笑)



個人的には単品メニューにデザート的な物があったら嬉しかったのです(笑)


霞ヶ関付近でお昼に時間があったら、寄ってみるのも良いと思います。

されど罪人は竜と踊る 12巻

$
0
0


されど罪人は竜と踊る 12
浅井 ラボ, 宮城

人はよき母であり、良き父であり、良き兄弟であり、良き友人であり
なお、なんの矛盾もなく、楽しんで他人の親や子、兄弟、友人を殺せる。


既巻紹介 10巻85点 11巻85点 0.5巻80点



個人的に、現代で最も好きな小説『され竜』。
この小説がどういうものでどういう魅力があるのかについては、こちらの記事でふんだんに語っております。


大都市エリダナで攻性咒式士として活躍するガユスとギギナのコンビを中心とした物語。

剣と魔法でゴブリンや竜を倒す、そんな王道ファンタジー的側面もあります。
が、この世界の魔法に当たる「咒式」という存在は、科学に則り高度に体系化されたものとなっています。
例えば、最も頻出する攻撃咒式「爆炸吼(アイニ)」であれば、「TNT(トリニトロトルエン)爆薬を作り出し雷汞、アジ化鉛を起爆薬にして炸裂させ秒速二千メルトルから六千メルトルの爆風で対象物を破壊する。金属片の混入具合によって威力を調節可能」といった具合に、全ての咒式は科学的な現象として説明されます。
ファンタジーでありながらも科学的に複雑な設定をされ、立体映像を映し出す携帯端末が一般化しているなど近未来SF的でもある独自の世界観。

更に、主人公やヒロイン始め基本的に性格破綻者しかいないアクの強いキャラクター達。
全員が一筋縄では行かない性格で、そんなキャラ達が織りなす勧善懲悪とは最も程遠いストーリー。
正義と悪の戦いではなく、それぞれの正義の衝突。
哲学的・社会学的な味があり、お世辞にも後味が良いとは言えません。
ライトノベルに分類されているとは思えないエロ・グロ描写も相俟って、鬱小説の名をほしいままにしている作品です。
ある意味で、人間が非常に人間らしい物語とも言えます。
物語の構成自体にもミステリ的な仕掛けが施してあり、急転・逆転していく展開を楽しめます。

クセが強すぎるので余りにも人を選びますが、選ばれた人間は病み付き間違いなしの物語。


11巻は去年の5月でほぼ1年ぶりの続きなので、本当に楽しみにしておりました。
2010年の7月発売の9巻から始まった使徒編。
『され竜』の中でも最長の長編連載となりましたが、3年9ヶ月を経て遂に完結!
最終巻にして、第一部ラストと銘打たれたこの12巻。

表紙を捲ったら、まさかの結婚報告。
浅井ラボ先生、御結婚おめでとうございます!

しかし、本編は1頁目から完全に映像化出来ない血みどろの展開です(笑)
11巻はグロ控えめと思ってたら、この有様ですよ!

剣と刀と槍と斧と鎚と鎌と暗器と、炎と爆発と雷撃と鉄塊と氷槍と光線と毒と金剛石と音波と核融合と精神汚染と重力と数列と存在確率と、人と超人と獣と蟲と怪物と異形と巨人と竜と、あらゆる物理・超物理現象と存在が入り乱れるこの唯一無二の超級バトルを是非とも動画で観たいのですが……

『境界線上のホライゾン』のバトルも、描写は物凄く困難だったでしょうが、見事に映像化されていたので、『され竜』もその気になればきっと素晴らしい物が出来ると信じているのですが……

エログロ面で到底ライトノベルとは思えないような領域をひた走っているので、OVAでもないと無理であろうというのが辛い所です。
それでも、私はいつか観られる事を嘱望して止みません。
それ程までに、『され竜』のスピード感抜群の戦闘は魅力的です。

特に、群像劇色が強い様々な勢力が錯綜するこの「使徒編」、クライマックスとそこに向けた戦闘は実に味わい深い面白さでした。

そして、怒涛の展開も相変わらず。
本当に楽しく読ませて頂きました。

次はまたいつになるか解りませんが、続きを心待ちにします。


85点。

以下、ネタバレ雑感。





















まず、お気に入りの節。

奴隷と王様と、貧者と金持ちと、英雄と悪漢と
役割に甘んじる限り、誰もが運命の下僕に変わりはしない。


退屈は人を死なせる。
死なないために、人は退屈を殺そうと一生を費やす。
一方で、楽しみだけを望むと、人はいくらでも残酷になる。


この世の血と惨劇の最前列に立って楽しむ。
ずーっとずっと、竜と踊りつづける。


ただ、前回に引き続き今回も哲学成分はちょっと少なめでそこは残念でした。



いやぁ、カジフチにアンヘリオにブラージェモにロレンゾにヒルデ、そしてガユス・ギギナ・メッケンクラート・レンデン・デリューヒンの同盟、イーギー・ジャベイラ組が入り交じっての群像バトルは燃えました。
数百頁にも及ぶバトルは圧巻。
キヒーアの治癒能力がチートに過ぎますが。
極大咒式のぶつかり合いも良いですが、ホン・ロンを低位咒式で撹乱するような小賢しい部分も好きです。

二十九章冒頭の「戦争確率論」は、実在の本に書いてあった理論だと浅井ラボ先生自身が呟いておられたような。
前半半分で、大方決着してしまったので、残り半分は何だろう、ミルメオンやワーリャスフが登場するのかな、とワクワクしていたら……

まあ、バモーゾの師匠でもあるアンヘリオがああも簡単に退場する訳もないですよね。
処刑直前のパートはミステリ的な面白味もあって良かったです。

パンハイマに関しても、相手がザッハドとはいえあんなにあっさり死ぬ筈はない、死ぬにしても何かしら保険を打たなければあの場にわざわざ行っていはいないと信じていたので、逆に安心しました。
しかし、ペトレリカの全てのすらもパンハイマの演技だったというのはビックリですが。

ジオルグの仇であると推測されるパンハイマを法で裁こうとした時、ガユスはともかくギギナも次善として納得していたのはちょっと意外でしたが。
何が何でもこの手で八つ裂きにする位の意気込みでありそうだったので。
実際、ジオルグの死の真相はどうなんでしょうね。
絶対に単純なものではないとは思いますが。

しかし、ロレンゾに鍛えられて踏破者として育つガユス・ギギナも見たかったですね。
ハーライルも散々苦労しながら何も報われておらず、可哀想です。

ラルゴンキンのウソには普通に騙されました(笑)


ゴートレックとノエスの件は、され竜っぽく現代社会の問題が捨象されていて良かったですね。
ガユスが最後まで説得で解決しようとする部分の主人公の面目躍如感。


ウゥグ・ロンナの門はまさかの袋女。
さながらクトゥルフのような、この世ならざる異界の顕現にワクワクしました。
そんな異常な異端を日常として傍らに視ていたザッハド。
常人の理を超えているのも納得です。
そして、ザッハドは人類全体の脅威である「運命の時」に備えていた、と。
殺人王が人類の救済のために奔走しており、そんな彼を殺そうと必死だった主人公たちという構図がいつもながら絶望的で素晴らしいですね。
更に、そんなザッハドも実は一冊の書であったと。

その上で、アインフュンフかと思わせた棺の正体は何とユラヴィカ。
屠竜刀ゾリューデが出て来た時からもしやと想いましたが、まさかの復活。
またユラギギが見れるのは嬉しい限りです。
ちゃんとチェデックの名前が出て来るのも。
しかし、十二冊分の力を得たユラヴィカとか反則に過ぎます。
キヒーアとホン・ロンとアダマチウス・スとハーコンだけでも大抵の咒式士には勝てるでしょうし。

そして、ヨーカーンはそれ以上ですか。
ヨーカーンの目指す所も気になります。
とりあえず世界は二周目のようですが。
そして、性別は無意味ですけどヨーカーンが男なのか女なのかも地味に気になります。
どっちでも好きですけど。


最後のガユスとジヴの成婚という展開は、痛みを伴いながらもこれまでにない幸福感に満ちたEDで、逆に吃驚しました。
浅井ラボ先生ご自身のご結婚と、どれ程までに関わっているのか知りたいです。
宮城産の挿絵で敢えて顔を描かないという演出が良かったですね。
今回は性描写がなかったので、最後できっと来るだろうことは疑っていませんでした。


ユーゴックの仇として刺されるという最後の展開も、実にこの世の因果応報を感じさせて重畳です。
主人公の行いだからといって簡単に正当化されず、恨みを発露させられるのが本当に素晴らしいですね。


人類の敵や、エリダナ地下迷宮、公爵級のアイオーンや108帝、伝説の竜達などなど、まだまだ気になる部分は一杯ありますが、今後はどこまで描かれるでしょうか。
クエロと和解する日も訪れるのでしょうか。
そして、ヒルデに再登場はあるのか(笑)


今後も楽しみでなりません。
出来るだけ早く発売するよう、奥様の賦活に期待します。

鋼鉄奇士シュヴァリオン 1巻

$
0
0



鋼鉄奇士シュヴァリオン 1
嵐田佐和子

あんた一体
何と戦ってるの……?


嵐田佐和子先生の初単行本。
Fellows!で連載していましたが、現在はFellows!の代わりに創刊したハルタにて連載中です。


宿敵デス・ユニバースを倒した、5人組のヒーローシュヴァリオン。
しかし、リーダーであるレッドの烈人(レット)だけは何故か変身がとけないまま、日常生活に戻っていた。

photo:02

巨悪のいなくなった平和な街。
そこでは、曾てのヒーローの力は不相応に大き過ぎ、逆に厄介者扱いを受けていた。

photo:01
今のアンタはもはや
派手な格好のただの迷惑な
住所不定無職!!


ホームレスさん達を見習えとまで警察に言われる元ヒーロー。
竪穴式住居に住み、内職をして口に糊する元ヒーロー。

その悲哀をユーモラスに、時にシリアスに描く作品です。

着眼点にまず面白さのある作品ですね。

『まおゆう魔王勇者』や『竜の学校は山の上』では、ファンタジー世界で勇者が魔王討伐の後が語られますが、そのヒーロー版といった所です。

基本的にはヒーローとしての精神性を持ったままなので、人助けに尽力しようとするもののそれが悉く裏目に出てしまう悲しさとそこに生じる笑い。
圧倒的な力の場違い感が良いですね。
カバー裏に至るまで、落ちぶれてしまったヒーローの姿が切々と描かれます。

ただ、後半は変身が解けなくなった理由を追って行くシリアス色が強い筋になります。

photo:03

ヒロインのさくらを始め、蒼汰や黄梨と魅力的なイケメン・美女の揃った元同僚達。
エンターブレインっぽいテイストもありつつ、画力は高いです。
烈人とツンデレなさくらとの仄かな恋愛フラグも先を気にさせてくれます。


今後の展開次第で全体的な評価も大きく変わりますが、この一巻時点ではかなり楽しめました。
ちょっと異色な物を読みたい方、ヒーロー物が好きな方、オススメです。


75点。

劇場版シュタインズゲート 負荷領域のデジャヴ 感想

$
0
0

photo:01


やり直せないからこそ
人はどんな不幸も理不尽も受け入れて
前に進む事ができる



その凄まじいシナリオの完成度から大人気となり、アニメ化も好評を博した空想科学AVGシュタインズゲート。

そのシュタインズゲートの一年後を舞台にした劇場版が、昨日より公開となりました。

初日も二日目となる今日も満員御礼、立ち見まで出る大人気ぶり。
私も、ドラゴンボール神と神の際に予告編を観た瞬間「これは観に行かねば!」という使命感に駆られました。

そして、無事に観て来ましたが……


単刀直入に言って素晴らしかったです!

最初、続編映画という事を聞いた時は、あれだけ綺麗に終ったお話をこれ以上どうするんだろう?という不安がありましたが、見事にそんな想いは払拭されました。

ラボメン達の織り成す相変わらずのサブカルネタ満載の掛け合いで劇場には笑い声が溢れ、一方で背筋がゾクッとするようならしいサスペンス展開もあり、思わず涙腺を刺激されるような箇所もあり……

正に笑いあり涙ありの上質なエンターテイメントでした。
隣の人などは、ポップコーンを買ったのに見入って食べるのを忘れていた、という位。

いずれのシーンにしろ、主人公オカリンを演じる宮野さんの演技が素晴らしかったです。
関さんのダルも相変わらずの変態紳士っぷりが最高でした。


シュタインズゲートファンには無条件でオススメです。

ただ、初見でこの映画から観るのは微妙でしょうね。
出来れば原作を、さもなくばアニメ全話を観ている事が前提でしょう。


85点。



以下ネタバレ雑感です。
























3000万年前って何でしたっけ。
地球は7000万年前?


いとうかなこさんの歌を聴くと、シュタゲって感じがしますね~。しみじみ。


最初のアルパカでまず笑いました。
それ何ていう『ナチュン』ですかw

「だが男だ」などで湧く劇場。
二日目なので、周りのファン具合も濃そうです。

フォトショップww
ダル自重w
世紀末焼きそばの時も大概でしたね。
顔を見ながらのまぜまぜ!
ダメだこいつ早く何とかしないと。
だがそれがいい。


酔ってるクリスティーナと狼狽えるオカリンが可愛過ぎてやはり劇場内に笑いが。
宮野さんの演技が本当に巧いですね。


からの一転してシリアス展開。


しかし、クリスの部屋を訪れたバイト戦士は声でまるわかりという。
そうですね、シュタインズゲート世界線だと彼女はそうなんですよね。


リーディングシュタイナーの副作用という中2的な、しかし深刻な問題。
R世界線とな。


クリスがラーメンを啜ってる時の私服の可愛さにまた俄かに盛り上がる周囲の席。
そのままの格好で飛び出したのは吃驚しましたね。


ヽ(*゚д゚)ノカイバー


クリスも孤独な観測者となって、その痛みを反芻してしまうのか……
正直、オカリンが正気を保てているのも奇跡的な位の状態ですよね。
原作とアニメのOP歌詞にもある「孤独な観測者」、本当に痛切です。


駅前のシーン、あれ卑怯ですね。
そこであの名曲のそんなアレンジを聞かされてあんな海馬に残るシーン。

FF10のユウナのように、時々で良いから思い出して欲しいという儚い願いも良いですが、Kanonのあゆの如く、或いはONEの如く、完全なる忘却を願われるという構造は泣かせられます。

そして、それ自体が布石となって、12歳のショタリンにも同じ事をし、海馬に刻み込むという。
からのラストシーン。

う~ん、綺麗な流れですね。
あのまゆりを人質にする時に、そんな事を。

というか、ショタリンが可愛過ぎて萌えますね。

イケメンリア充め!
末長く爆発するといいです!

ご都合主義とかどうでも良いのです。
タイムパラドクスを扱う以上は多少矛盾は生じる物。
それがどうしても気になってしまうという人の気持ちも解らないではないですが……
些末な事はさておき、美しいお話だったと思います。


EDの彩音さんの曲も良かったです。

シリアスシーンでもオカリンの演技が素晴らしく、印象に残りました。

又、まゆしぃを演じる花澤香菜さんも、松実玄さんとはまた違いつつも可愛いという演じ分けを感じさせてくれました。
頑張って聞けば幼少期の松実玄さんに聞こえるとか不治の病を発症してしまいましたが、こればかりは仕方ないですね。

吉成曜監督作品「リトルウィッチアカデミア」、台湾学生の作品「Out of Sight」

$
0
0


『新世紀エヴァンゲリオン』や『攻殻機動隊GHOST IN THE SHELL』、『ヴァルキリープロファイル』シリーズといった、私が大好きな作品に数多く携わっている吉成曜さん。
その吉成曜さんが原案・監督を務める本作。
ガイナックスで『天元突破グレンラガン』の監督などを務めた今石洋介さんや、大塚雅彦さんらにより立ち上げられた制作会社TRRIGERの劇場版第一作でもあります。

そんな、アニメファンなら堪らない豪華スタッフによる本作は、3月2日「アニメミライ2013」参加作品として発表されました。
先日行われた国際アニメフェアでも上映され、観に行きたかったものの叶わなかったのですが……




この度、Youtubeとニコニコ動画で無料全編公開が始まりました!
いつまで公開されているかは未定なので、なるべく早めに観ておくと吉でしょう。

という事で、楽しみにしていたこの作品を早速視聴。

物語は、「女の子だけのハリー・ポッター」とでも言いましょうか。
魔女学校に通う魔法少女達のお話で、落ちこぼれのアッコを主人公にしたお話。

僅か30分弱のお話ですが、アッコの友人のロッテやスーシィー、高慢なお嬢様キャラのダイアナなど、それぞれのキャラクターがとても魅力的に描かれています。
アッコは少年漫画の主人公っぽさもあり、その真っ直ぐさが気持ち良いです。

設定含め新しさは無いものの、安心して観られる昔のアニメの良さが詰まった王道作品だと思いました。

コメントでは、シリーズ化を望む声が多数。
こういった、心温まる夢のある作品が世に満ち、子供がアニメに楽しみ親しんで次世代に繋がれば良いですよね。

ベストコメントにある通り、見終わってから0:18のシーンを見返すと微笑ましい気持ちになります。

ついでにYoutube版は英字幕付きなので英語の勉強にもなりました(笑)




そして、もう一作。

台湾の学生によって作られ、2010年に公開された「Out of Sight」が、またここ数日GIGAZINEなどでも取り上げられ、話題に上っていました。

こちらは5分強の短編作品。
盲目の少女がひったくりに合う所から始まるお話なのですが……

目の見えない少女の世界の広がりの表現が素晴らしいです。
とても柔らかいタッチの絵と音楽に彩られながら描かれていき、優しい気持ちになります。

個人的には、「The Unfinished Swan」を思い出しました。
こういった、名状しがたい感覚を誰でも観られる映像に落とし込む手腕は凄いです。

この豊かな才能で、今後どんな物を創って行くのか、とても楽しみです。

変態仮麺 新宿2丁目つけ麺GACHI

$
0
0

前回訪問記事


まさかの映画公開により、20年弱の時を越えて話題沸騰の「変態仮面」。
黄金期ジャンプの中で、異色な存在感を放っていた迷作です。


その劇場版記念として、全国の有名店がコラボレーション!
この企画もまたまさかです。


そして、東京のコラボ店は、個人的に新宿で一番好きな「GACHI」さん。

これは行くしかありません!



という訳で、怪しい雰囲気漂う2丁目、殿方同士抱き合っている日常風景がある街の一角へ。



photo:01

お店にはいると、早速ありました( ̄▽ ̄)


迷わず注文。
すると、店員さんからは元気良く
「変態入りました!」
「変態一丁!」
の掛け声(笑)

その後も「変態もう少々お待ち下さい」と再三の変態アピール。
これ程までに笑いが出たラーメン体験は、前略まるきゅう以来ですね。


そして「変態お楽しみ下さい」の声と共に丼着。
お召し上がり下さい、ではなくお楽しみ下さいというのが(笑)


photo:02

フォォォォォ~………!

実物を見ると、やはり異様!

早速頂くと……
やはり、このお店のラーメンは普通に美味しいのでコメントに困ります(笑)

粒が見えるコシと小麦の香り高い麺は流石。

スープは天一に近い濃厚でドロドロの豚骨。
しかし、臭みなどはなくとても美味です。
上に掛かったパンティ状のメレンゲが食感の柔らかさに加えて、スープの濃さを好きな塩梅で薄める役割も担っていて隙がありません。

柔らかいチャーシューや、独自の味玉も芳醇な旨味を湛えていて、心から美味しいと思わせてくれます。


そして、このラーメン、驚くべき仕掛けが。


パンティの下から

photo:03

「それは私のおいなりさんだ」

と言わんばかりに、いなりが出現。

ただ、これは紹介記事で見て知っていました。

しかし、普通のおいなりさんだと思って食べたら……


photo:04

何と!
中には胡麻をまぶして揚げたうずらの玉子が二つ‼

これには噴飯を余儀なくされました(笑)

そして、やはり普通に美味しいので困惑します。


前回の〆でも言った通り、GACHIはガチ!

若干駅からは遠いですが、店内は綺麗で女性も入り易いですし、年中無休で11:00~23:00までやってますので、近くにお立ち寄りの際は是非。
普通のメニューも美味しいですよ、とまるでステマっぽく(笑)


ご馳走様でした♪( ´▽`)



85点。

バイオーグ・トリニティ1巻

$
0
0


バイオーグ・トリニティ 1
漫画:大暮維人, 原作:舞城王太郎

愛よ
この星の前に
オレを救ってくれ




『天上天下』『エア・ギア』の大暮維人先生と、『self reference engine』や『ジョジョの奇妙な冒険』ノベライズでもおなじみの舞城王太郎先生による、ウルトラジャンプ連載中のコラボレーション作品。

http://mangabroadcast.jp/ultrajump/detail.php?cid=08M118132013053053A1
こちらで1話試し読み、そして設定資料&舞城王太郎先生の書き下ろし掌編が掲載されています。
世界観を補完する意味で、コミックスを買った方も楽しめます。

クセがありつつも頭一つ抜けた印象を与えてくれる舞城作品の雰囲気を、高い画力に定評のある大暮維人先生が描くということで両先生のファンとして期待しておりました。



舞台は2040年頃の近未来。

photo:01

手に穴のあく病気「バイオ・バグ」。
その穴に何かを吸い込むと、分子レベルで其の物と融合してしまう。

それにより幾度かの戦争も起こった、混沌とした世界。

photo:06

世界情勢や街の治安も現在とは大きく異なり、命が軽くなっているようです。
謎生物のデザインの異質さが割と好き。


一方、そんな世界とは無関係に、主人公の少年・藤井は榎本芙三歩(えのもとふみほ)の事が好き過ぎて死にそうだった――

photo:02

普通の漫画では出て来ない、フリーダムな表現も頻出し作品のユニークさを底上げしています。


一見取っ付きにくそうですが、最も根幹にあるのが人類普遍のテーマである恋話なので、意外と入って行き易いです。

photo:03

藤井と芙三歩、そして「2秒で死ね」や「2秒で出ろ」など2秒が口癖の穂坂や、バイク好きのツンデレ元気女子・極子を交えた青春群像劇が見所。
一話で出て来る松カゲっちも可愛いです。
あの後どうなったのか気になりますが(笑)


photo:04

一方で、「世界のゆらぎ」というキーワードがあり、暗躍する謎の組織の者達の存在も。
これら二つの大軸で物語は廻っていきます。


photo:05

バトルシーンを中心としたスタイリッシュな作画のクオリティは圧巻の一言。
平時でも、街の細かいディティールなど個人的にツボです。
トイレのドアから街のビルの壁面から、兎に角ポップなデザインに溢れています。

2040年頃(推定)でありながら、スマホなどのガジェット類が2013年現在とさして変わらないのは少々残念ですが。

最初こそ掴みづらかった作品ですが、後半はなかなかに熱い展開。
布石を上手く使って盛り上げている所は流石です。
続きを楽しみにさせてくれました。

又、丁度竹熊健太郎先生を中心とした「漫画の左綴じ右綴じ・セリフの縦書き横書き」論争が活発な昨今。
今作では、モノローグは縦書ですが、セリフは全て横書きです。
その狙いは定かではありませんが、横書きセリフはポップな印象が強まります。
この作品の雰囲気には合っていると言えるでしょう。

表紙カバーを外すと、舞城王太郎先生らしい感じで。



ポップでパンクな近未来青春群像ラブコメバトルアクション。
両先生どちらかのファンは勿論、エッジの利いた作品を求める方にオススメです。


75点。

少年ノート5巻

$
0
0


少年ノート
鎌谷悠希

世界を知ると
世界が変わるぞ


既巻紹介 1-2巻80点 3巻75点 4巻80点


合唱をテーマに、思春期の少年少女達のデリケートな感情を豊かな表現力で描く群像劇です。
私の中で今かなり推している作品の一つであり、今巻もとても楽しみにしていました。

そして、今回もとても素晴らしかったです!


全国への足掛かりとなる、県代表の合唱コンクールを目前に控えたゆたか達。
しかし、アルトの知也がブレスに苦戦しあと一歩の所で完成に及ばない。

photo:02

そんな知也は、家庭の事情を抱えていた――

相変わらず、心理描写の表現方法が斬新で大胆です。
しかし、それに違和感を持つことなく普通に読み進められるのが鎌谷先生の力量でしょう。
中学生ともなれば、誰でも様々な悩みを持つものですが、部員一人一人のそういった問題が丁寧に扱われ、エピソードを通して全員に更に愛着が湧いてきます(特に深く描写された訳ではないですが、単行本おまけ頁で紹介された黒髪ロングで性格も良さげな古城アキラさんは今後より一層応援・注目して行きたいです)。


そんな悩める部員たちへ助け舟を出してくれたのは、帰国したゆたかの兄・みのる。

photo:01

世界中を旅してきたゆたかは、何故かオネエ言葉で話し、メレンゲを携える不思議キャラ。
ゆたかに歌を教えた人物であり、そして彼もまた色々と複雑なものを抱えています。
飄々としながらも、兄らしい頼りになる面を見せてくれる美味しい役回りですね。

しかし、「あったのにないみたいな切なさが面白いでしょう」と云われるメレンゲは、その儚さがソプラノボイスと同質の存在。
世界観にあった良い小道具です。


ゆたか達がコンクールに向けて奮戦する一方で、神童であるロシアのウラジミール・ポポフ君もまた自らの声を脅かされるとある事態に苦悩していた。
声が命そのものであるポポフは、半ば自暴自棄に。

それに対し、マネージャーであり実の叔父でもあるアナトリーは何とか彼を駆り立てようとする。
その時の比喩表現が印象的です。

photo:03
今という時間はただの小麦の粉だ
小麦がどれほど気に入らなくても
それをこねて「人生」というパンを焼くしかない
「今」が全てかのように執着していては
パンは永遠に完成しないぞ
焼くしかないんだよウラジミール
自分が美味しく食べるために



自分が少年だった時代の気持ちを忘れてしまったアナトリーは、何とかウラジミールの事を理解してやろうとする。
そんな時、娘と一緒にウラジミールの歌う映像を改めて観て、アナトリーは悟る。

その時の見開きページ前後の表現が余りに圧巻です。

photo:04
命を研ぎ澄ましてきた歌声の重さ
それを「理解してやろう」なんて強欲だ


言葉では伝わらない物まで涙を流す程に伝わってしまう、そんな歌もあるでしょう。
私が一番好きなバンド「X」のYOSHIKI氏が用いた「瞬間の美学」という言葉を思い出しました。
その瞬間の為ならば全人生を賭しても構わないと思える最高の時。
その時が遠ざかる不安、その時にもう至れないと知った時の絶望は計り知れません。
正に生きる価値を失う事と同義です。
醜い心の暴走をとめられないポポフ君の気持ちもよく解ります。

しかし、往々にして人生は最高の時を経てからも続いていく物。
そこで、残った小麦でどうパンを焼いていくのか。
それを示してくれる人の格好良さ。
更に、小麦を使ってパン以外にも美味しい物を作れるのだと示してくれる人の尊さ、ですね。

この巻最後の見開きが、また大変に心に沁みたのでした。

表紙は単体で素敵なデザインセンスなのですが、本編を読んでから見直すとまた唸ります。


安心して老若男女問わずお薦めできる、素晴らしい作品です。


80点。

咲祭2013 咲-Saki-11巻 咲-Saki-阿知賀編5巻

$
0
0


そういえば九州勢同士の表紙。

さあ、やって来ましたよ!
2013年最初の咲祭が!!
咲-Saki-11巻・阿知賀編5巻同時発売の運命の日です!

そして、PSPの「咲-Saki-ポータブル阿知賀編」も夏予定!
という事で、今日は咲-Saki-ファンの皆さんはコミックスと同時にファミ通も買いましょう。
今年の夏は大いに熱くなりそうですね。

去年は、3月6月、10月と3回もの咲祭に恵まれたMiracle Year。
ただ、阿知賀編が絡む物としてはもう今回が最後となってしまうかもしれない咲祭。
阿知賀編最終6巻は8月24日発売予定らしく、恐らく本編12巻はまだ来ないかな、と。
ただ、もしかしたら咲日和3巻と最後に大輪の花火を打ち上げ咲かせてくれるかもしれませんし、それを祈りますが。


私にも、
「えー、『咲-Saki-』の特典欲しさに全店舗を巡って買う人もいるんだ。すごいな~」
と思っていた時代もありました。

今となっては、昨日BD発売となったヱヴァ風に云うならば
「どこで咲-Saki-を買うか、そんな事で迷う人もいるんだ……」
という感じですけれど。

どこで買うか悩む、そんな必要はありません。
ただ、何冊買うかは悩みます。

ストーリーでの出現率的に他のキャラに回しても可笑しくないのですが、今回はゲーマーズさんが神リクエストで本編・阿知賀編共に松実玄さん!
アニメイトにも、阿知賀編の方では小さいSDクロチャーが!
他の同朋に行き渡る分は残し、余剰分は全て買い取りたい所存です。
もしかしたら、松実玄さんの描かれた購入特典をこんな気持ちで買いにいけるのも今日が最後になってしまうかもしれませんからね。

その印税で、小林立先生の取材旅行中の美味しい食事、五十嵐あぐり先生のDQ10月額課金の一部に貢献できるとあらば無上の喜びです。



楽しめる一瞬(イマ)を全力で駆け抜ける。
そう、人は奇跡に飛び込めばいい。

お祭って、楽しいよね!

さあ祭の嚆矢たる文教堂へ、いざ。


以下追記予定。

PR: 気づけば独身、そろそろ本気で婚活はじめるなら?

$
0
0
今すぐあなたの恋愛傾向をチェック!本気で結婚したいなら実績のサンマリエ。

弱虫ペダルミュージアム 27巻

$
0
0


photo:01

池袋のアニメイト本店3Fにて、昨日から始まり5月26日まで開催される『弱虫ペダル』アニメ化決定記念のミュージアム。
主要声優も発表された中、真波くんは誰になるのか気をもんでいます。

サイドバーでもずっと推し続けている通り純粋な作品ファンとして、そして真波山岳くんファンとして早速行って参りました(^-^)


photo:02

入るとまず見える総北メンバーの等身大パネル!
基本的に撮影禁止ですが、ここともう一箇所だけは撮影可能となっていました。


入り口には寒咲自転車店ロゴ入りの総北ジャージに、直筆の坂道と真波くんが!

その隣には、尽八と巻島の描かれた箱根学園ジャージも!!

開幕から熱いです。

そして、ショーケースには渡辺航先生の使用されているロードレース用のグッズや、画材が展示。

そこから、壁面にネームと原稿を並べて展示しているコーナー。
1枚目の細かい設定や、巻ちゃんと尽八の熱いバトルの時のネームの描かれ方に心躍りました。

そこを曲がると、カラー原稿とその下書きコーナー。
先生の荒々しい絵は細かく見ると、結構食み出しや塗り残しがあるのですが、パッと見ではそれ以上に迫力の方に目が行くのであまり気にならないのですね。

カラーの真波くんも見られて眼福!

坂道が巻ちゃんにオタク文化を教え込む番外編もカラー原稿4ページがそのまま貼っており、改めて読んで笑えました。






photo:03

そして、祝アニメ化コーナー!

隣の来場ファンのコメントコーナーも、とても熱い想いが絶えることなく綴られていて良かったです。


単行本やグッズを500円以上購入で貰えるブロマイドが欲しかったのですが、割と種類が少なく、ほぼ品切れのものも。
本は全巻持っておりますので……




photo:04

総北ロゴの入ったケースを買って、真波山岳くんブロマイドゲットです!
ナイスアブ!
ブロマイドは10枚の中から選ばせてくれるので、一安心です。

ただ、尽八が無くて嘆いてらっしゃった方も。
この面子なら確かに尽八も居てあげて欲しかったですけれど(笑)


『弱虫ペダル』ファンの方は行って損なしの催しですね。



そして、まだ未記載だった27巻についてもこの際纏めて書きましょう。


弱虫ペダル 27
渡辺航

夏の空
そこに一番近い場所まで…


既巻紹介 14巻80点 15巻80点 16巻85点 18巻80点 19巻80点 20巻75点  21巻80点 22巻85点 23巻85点 24巻85点 25巻80点 26巻80点


長きに亘ったインターハイの戦いも遂に決着の時!
最終日の戦い、残り僅か500m。




photo:05

最後の、最高の舞台で鎬を削るのは、坂道と山岳。

真波くんの回想に出て来る幼い頃が完全に天使で可愛いです。

互いに全てを出し尽くす、肉体と精神と魂の全てを賭したラストラン。



photo:06

この表情とモノローグが堪らないですね。
最高潮の熱気と共に、何と爽やかで清々しく美しい事か。

様々な人の想いを背負って走る二人。
勝利の軍配や如何に――


ひとつ言える事は、総北もハコガクも、本当に良いチームだという事です。

刊行ペースは早い『弱虫ペダル』ですが、ここ何年かの集大成ですから、やはり感慨は一入でした。


そして、激闘を終えて暫し幕間へ。

総北学園メンバーでアキバに行き、生き生きとした坂道に困惑する三年生陣という構図がとても面白かったです。



photo:07

「恋のヒメヒメぺったんこ」を歌えてしまうことに頭を抱える田所さんと、それに堪らなく嬉しそうにする坂道が好きです。

しかし、そんな笑顔の陰で思わぬ問題も――


そして、坂道は自転車を新調。



photo:08

一つの頂点に上り詰め、目指すは次なるステージ。

今後の更なる成長と飛躍に期待です。


王道少年漫画が嫌いでないなら、是非是非。
アニメ化前に全巻読んでおくのも良いと思いますよ。


80点。


Viewing all 1280 articles
Browse latest View live