イロメン ─十人十色─ 1巻
田村由美
集英社マーガレットコミックス
クリスマスめ!
トナカイの鼻すら赤い
あの田村由美先生が、新作ギャグマンガ、ですと……!?(ざわ・・ざわ・・)
『巴がゆく!』『BASARA』『7SEEDS』(19巻75点 20巻80点 21巻80点 22巻80巻 23巻80点 24巻80点)などの長編作品の雰囲気とは打って変わって、めくるめく日常と笑いの世界を巨匠が描いている新作がこちらです。
十色商事の青木と緑川、そして黒仏部長の部署に、新しく入って来た桃栗、枯枝、赤木。
彼らは、仕事そっちのけで自分の苗字の色にこだわりを持った会話を繰り広げられる――
彼らは、仕事そっちのけで自分の苗字の色にこだわりを持った会話を繰り広げられる――
「色」をフィーチャーした、社会人コメディです。
一話数ページ~十数ページほどで、20話分が掲載。
会話が中心となっており、その内容は多くの田村先生の実体験も含まれているようで、物語形式ですが半ばエッセイマンガに近い趣もあります。
それぞれの色のマスコットキャラクター対決勝負が繰り広げられたり、世界遺産対決が行われたり。
白や灰色、金や銀も混じって、色とりどりのカオスです。
特に面白かったのは、色カード対決。
各自の持ち色に関する「強力な存在」を書いた10枚のカードを作り、その強さを競う競技。
これはちょっと実際にやってみたいとすら思いました。
J(ジャック)のカードが「桃太郎」であった桃栗の、まさかのK(キング)、A(エース)のカードや、白のA(エース)に笑います。
漫画アニメ特撮海外ドラマネタから、「弟切草」や「街」などのサウンドノベルネタまであるのにはニヤリ。
シリアスな作品だけを描き続けていると作者の心も張り詰めっ放しになってしまいますので、ギャグを差し挟む余地も少ない『7SEEDS』を描いている田村由美先生には一匙の清涼剤的な作品になっているかもしれません。
耽美な絵のコメディが好きな方、そして自分の苗字に色が入っている方には特にお薦めです(笑)
65点。
65点。