
北斗の拳イチゴ味1巻
原案:原哲夫, 武論尊 作画:行徒妹 シナリオ:河田雄志 協力:行徒
「くっ… ケンシロウ
こんなに近くにいるのに
あんなに遠く感じるなんて…」
「サウザー様 お気を確かに!」
行徒先生といえば、このブログで紹介したことはないですが『学園革命伝ミツルギ』や『もぎたて☆アイドル学園』。
『ふうらい姉妹』や『B.B.Joker』『4ジゲン』、『春になるとウズウズしちゃう』や『サディスティック19』など、無駄に美麗な絵で繰り広げられるギャグ漫画は大好物です。
その行徒先生の実妹、その名も行徒妹先生による、『北斗の拳』のサウザーを中心としたパロディギャグ漫画。
絵柄は、元の原哲夫先生の物にかなり忠実に描かれています。
しかし、その内容は正に「これは酷い」の一言。
1話が無料で読めて大体雰囲気は掴めますので、お確かめ下さい。
http://bookstore.yahoo.co.jp/shoshi-176143/
今作で描かれるのは、余りにも残念な聖帝の姿。

退かず、媚びず、顧みなかった結果がこれですよ!
完全なるアホの子と化した聖帝がエネルギッシュに描かれて行きます。
コピペも多く、漫☆画太郎作品を彷彿とさせる部分もあります。
ネタとしては、思わず沈黙してしまうような残念なものも多いのですが、北斗の拳ファンとしては堪らないものも。

まさかのEDまで全編サウザーで再現。
ああ、「LOVE SONG」が聞こえて来ます(笑)
このやり過ぎ感、嫌いじゃありません。
コミックス自体の作りも、カバーの作者コメントから巻末の読者投稿欄まで往年のジャンプコミックスを踏襲する懐かしい形で、集英社への執念にも勝る怒りというか遊び心が一杯で、素敵です。
サウザー中心ではありますが、ラオウやレイ、ユダ、五車星なども登場。
個人的に一番笑ったのは、世界のどこにでも出没する「ターバンのガキ」にフィーチャーした一連のネタです。

ターバンのガキVS布切れのおっさんという究極のモブキャラ対決には声を出して笑いました。
シュウと南斗聖拳を学び共に笑い共に修行を積んだのに聖帝軍の人だ!!!
余りにも絶妙な所から拾って来られるキャラに脱帽。
2巻がもし出るならば、サウザー以外にもこういった細かすぎて伝わらないキャラをフィーチャーしたネタがもっと読みたいですね。
空気化しているラオウ編以降なども……(笑)
又、帯に書かれている通り、一部で話題騒然となった、美少年時代のハート様を描いた行徒先生の読み切り短編「HEART of Meet ~あの日の約束~」も収録されています。

体が弱く、日がな室内で小鳥と戯れる白皙の美少年だったハート様(アルフレッド)を読みたい方は是非。
出るか不明の2巻は個人的にとても読みたいので、北斗の拳好きで懐の深いの諸兄には購読して頂きたいです。
書店で、あまり漫画に詳しくなさそうな店員さんに「『北斗の拳イチゴ味』ありますか?」と聞くと「え?」という顔をされるのでオススメです。
70点。