Quantcast
Channel: マンガソムリエ兎来栄寿のブログ 先刻の箚記(さっきのさっき)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1280

鳥の眼 そして電子媒体の漫画に関するあれこれ

$
0
0

電脳マヴォ
http://mavo.takekuma.jp

Web漫画サイトの電脳マヴォに関しては「少女地獄」「同人王」などについても触れたいですが、それはまた別の機会にするとして……



本日、ムライ先生の「鳥の眼」が掲載されました。
これ、凄い漫画です!
長くないので、私がとやかく言うよりもまずは読んでみて頂きたい所です。


電子書籍として読む漫画。
多くの作品は、単行本化を前提とした従来と同じような漫画です。

しかし、うめ先生がスティーブ・ジョブスを描いた「スティーブズ」や、全てのコマが同じ大きさの「マスタードチョコレート」のように、最初から電子媒体で読まれる事を前提に創られた作品も増えて来ています。

そして、紙の漫画の「見開き」のように電子媒体ならではの演出を突き詰めた時、一体どんなモノが創り得るのか。

この「鳥の眼」はそのアンサーであり、物語と演出が一体となって電子書籍・漫画の可能性を示してくれています。



又、今日はこんな記事も目にしました。

村田雄介が体感する「マンガ」の変化(前編)
http://bizmash.jp/articles/41551.htm

Twitterなどで実験的な漫画を多く試行し、現在は『ワンパンマン』を手掛ける村田雄介先生。
ここ数日はUstreamで作業風景の配信なども行っているようで、とても刺激的です。

この記事の中で村田先生が語る紙の漫画と電子の漫画のそれぞれの良さ・できる事。

この中で特に共感したのが、「電子書籍は音とのコラボレーションも出来る」という件。

音が感情にもたらす影響というのはとても大きいものです。
数多くの泣ける映画やアニメ、ノベルゲームを賞翫して来ましたが、果たしてそれらにもし音楽や音声が付いていなかったとしたらそれでも泣けただろうか、と思う事もあります。
逆に、漫画や小説に音声や音楽が付いたら、泣くほどの感動も与え易いのではないか、と。

故人的に、漫画に音が付いてとても面白いなと感じたのは、ニコニコ動画の「道化師が幻想郷入り」という、東方シリーズのキャラクターとドナルドやカーネンサンダースが、『HUNTER×HUNTER』さながらの能力バトルを繰り広げる作品が最初でした。
基本的には漫画なのですが、効果音やBGMが臨場感を増加させる役割を担っています。
又、同じ絵でも吹き出しだけが変わって会話をして行くというのも、紙の漫画にはない表現で興味深かったです。

「野生の冨樫」というタグが付く程の作品ですので、もし興味があれば検索してみて下さい。
現在はYoutubeにもあるようです。

ジャンプでもvomicなどの試みが為されています。
或いは、「レッドドラゴン」のような、有名な作曲家と著名な作家のコラボレーションもとても面白いですね。

個人的には、桜庭統さんが作曲を担当する能力バトルストーリーなんてとても見てみたいなと妄想します。


果たして、10年後20年後にはどんな漫画が生まれているでしょうか。
新しい地平を切り拓くクリエイターの方々に、私は敬意を表します。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1280

Trending Articles