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All You Need Is Kill 1-2巻(完)

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漫画:小畑健, 構成:竹内良輔,原作:桜坂洋,キャラクター原案:安倍吉俊
集英社ジャンプコミックス

死はむしろ…
僕の味方だ!!


となりのヤングジャンプにて、3話まで試し読みできます。


ハリウッド映画版が7月4日に公開(PV)される、桜坂洋先生の小説『ALL You Need Is Kill』。
全米が認めたこの小説を、『DEATH NOTE』『ヒカルの碁』『バクマン。』などでお馴染みの小畑健先生がコミカライズ。
小畑先生が表紙と挿絵を描き下ろした原作小説も同時発売。

連載開始当初から話題になっていましたが、元がよく出来たストーリーを小畑先生のスタイリッシュな作画で味わったら、面白くない訳がないですよね。
とりあえず、全2巻の内の100ページ以上を試し読みできるので、読んでみて損はないでしょう。


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人類は正体不明の化物「ギタイ」と敵対し、地球上からその版図を追われていた。
各大陸をギタイに侵攻され、窮地に立たされた人類。


{70A4C9DF-F622-41D7-9124-CE70EC4BB5DA:01}

そんな中子供の頃からその戦争を当たり前のものとしている青年、キリヤ・ケイジ。
特殊部隊の中で翌日に初出撃を控えていた新米兵士が今作の主人公。

しかし、そんな彼にある違和感、異変が訪れる。
自らが死ぬ度に、出撃する前の日に戻るループを繰り返していると気付いたキリヤは――


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特殊部隊のエース、「戦場の牝犬(ビッチ)」ことリタ・ヴラタスキは、世界中の戦場で勝利を挙げる人類の希望。
小さな体に戦闘ジャケットを纏って200kgのバトルアックスを振るう姿は鬼神の如し。
彼女との出会いが、キリヤの運命を大きく変えていく――


小畑先生の作画と、ハリウッド映画版の最大の差異は主人公二人の造形ですね。
そこには、日本のゲームが今一つ海外で受け入れられない理由、ローカライズの難しさが横たわっている気がしてなりません。
個人的には、この可愛いリタもレイチェルやシャスタも好きですけれど、アメリカだとまた違う反応になるのでしょうね。


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しかし、小畑先生の作画の魅力によって、このシリアスでダークで硬質なSF物語は新たな魅力を纏ったと感じます。
「計画通り」のような、ゾクッとする表情を高い画力でキメゴマに描いてくれます。

2巻でのあのシーンは、とても美しいと思いました。
そして、悲劇的な運命に対峙せねばならない人間が醸し出す絶望感と美しさが言葉でなく背中から感じられました。

全2巻という長さの中で牽引力ある物語を展開し、過不足なく収束させてくれます。
読んだ後は、上質な深いコクのあるコーヒーを飲み終えたような気分になります。

少ない巻数で完結しているので、手にも取り易いのでは。
SF、バトル、アクション、サスペンス、戦争物などが好きな方、小畑先生ファンの方は須らく読むべきです。


75点。

ゆりかごの乙女たち

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この作品は特殊な例外ですが、今マッグガーデンの本がセール中の模様。
こちらこちらの記事で激推ししている個人的2013年ベスト5の『イレブンソウル』や、癒し系哲学作品『すみっこの空さん』(1巻75点 2巻75点 3巻75点)なども全巻320円で買えますので、オススメです。


ゆりかごの乙女たち
みよりふるまち
マッグガーデンコミックスビーツシリーズ

問題は自分にとっての特別がいるかどうか心の在り処をどこに定めるかということだもの



電子貸本Rental!、Kindleで配信されていたこの作品は、『ケッコーなお手前です。』『東京ラストチカ』のみよしふるまち先生の最新作(電書版は一話ずつ配信なのでご注意を)。

その内容は、大正浪漫×お嬢様学校×百合!

いえ、その時代には百合という言葉がまだ存在しませんでした。
その代わりにあったのが、「S(エス)」という概念。

吉屋信子さんの『花物語』を端を発し、宝塚歌劇団の勃興もあって少女たちの間で流行した、Sisterの頭文字を取って呼ばれたこの関係。


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上級生が可愛い下級生を見初め、大事な妹として可愛がるというシステムの「S」。
漫画で描いた作品は少ないですが、今作はその「S」をたっぷり描いて行きます。

とはいえ、身構えることもなく「大正時代のマリみて」位の軽い感覚で普通に入って行けますのでご安心を。

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ヒロインの入江環(いりえたまき)は、庶民でありながら、お嬢様が集まる高等女学校に開校以来の才能でトップ入学した秀才。
環はその英明さを上級生に認められ、手紙を送られる。
が、そういったことに環は興味が持てなかった。

黒髪ロングストレートの凛々しくも可愛い所もあるヒロイン、個人的には大歓喜です。
決めゴマでの表情の美しさが良いですね。


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しかし、他の子とは違った雰囲気を持つ同級生・久世雪子(くぜゆきこ)に会った時、彼女の心境に変化が訪れ――

Sは狭義には上級生と下級生の関係ですが、広義にはそれに留まらず同級生同士や生徒と教師の関係もそう呼ぶことも。

ともあれ、環と雪子の間に流れる空気感を美味しく頂きましょう。


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物語は環と雪子を中心としつつ、麗しい先輩の絹子と可憐な後輩のよし乃の「S」なども描かれて行きます。

大正時代の女学校について何冊か参考文献も読まれているようで、好きな方はそれだけで読む価値があるでしょう(好き過ぎる人にとってはツッコミ所もあるかもしれませんが)。

時が来れば意に沿わない殿方にも嫁がねばならない宿命も背負う、当時の少女たち。
そんな彼女たちの中に芽生えた甘美な物語は、時代背景が生んだ刹那的なる泡沫の夢。
終わりを知悉しながらも、本心からの、魂からの希求に溢れ出る愛しさと切なさ、狂おしさ。
読み終わった後にタイトルを噛み締めます。

うん、堪りません。
百合の醍醐味がここにありました。
「男性キャラは要らんよ!!」と憤慨する方もいるかもしれませんし、それ以外にも純正な百合モノとしては……と思ってしまう所は人によってあるかもしれません。
しかし、それはそれで。

一巻完結なのが惜しいくらい、もっとゆっくりじっくり彼女たちの心の揺れ動きを眺めていたかったです。

最近は『あの娘にキスと白百合を』(1巻75点)といい、良い百合作品に巡り会えて幸せです。

要素にツボが合えば、お気に入りの一作となることでしょう。
オススメです。


75点。

HUNTER×HUNTER No.343「著者」感想

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ハンター、ちょっと面白すぎるでしょうこれは……!
あまりに飛び抜けて面白くて、変な笑いが零れましたよ。

私は、正直『HUNTER×HUNTER』という物語は32巻の時点で完結しても良かったと思っていました。
物語における主人公の最大目標を達成したので、それ以上は何をやっても蛇足になるのではないか、と。

ジャンプ漫画の長い歴史を紐解いても、「ここで終わっておけば名作だったのに」という作品の何と多いことか。
人気があると、作家の意志を離れて作品に延命措置が取られてしまう。
商業的には必然ですが、作品として漫画を見た時にはただただ哀しく映ります。

ハンターもそんな作品群の末席に名前を連ねてしまうのか。


…………そんな風に思っていた時期が私にもありました。

冨樫先生ごめんなさい。

自らの考えが如何に浅はかだったか、今号を読んで嫌というほど思い知らされましたよ。

こんなに嬉しい裏切りはない。
こんなに面白い漫画を毎週楽しみにできるなんて、そんなすばらなことはありません!

もう、今のジャンプで一番とかそんなレベルではなく、今連載中の作品全ての中でも純粋に一番続きを渇望する漫画かもしれません。

このカテゴリーを作った判断は、完璧に正しかったと思います。

流石に、今週レベルの昂ぶりを毎週持続するのは難しいでしょう……?
と思ったらあっさり超えて行くのがハンターですよね。
愛してるぜ。


ちょっと気持ちが昂っている内に雑感を記しておきましょう。
以下はネタバレですので、ご注意を。




































































HUNTER×HUNTER No.343「著者」。
著者というと……と考えましたが、その答は一番最後のコマに。
これ、最近のアニメなどでよくある、サブタイトルを最後に持って来る演出をやったら鳥肌が立つパターンですね。


多数の緋の眼をバックに、マフィアの娘(ネオン)から始まり、様々なお金を持っていそうな職業名が羅列される今回のスタート。
クラピカはもうほぼ全ての蒐集家から、同胞の緋の眼を奪還していました。
14番目となる最後が、カキン帝国第四王子ツェリードニヒ=ホイコーロ。
その度に取った硬軟交えた手段は、高潔なクラピカにとって許し難いものもあったことでしょう。

地下の、緋の眼を安置してある祭壇前でのクラピカのモノローグが重いです。
パイロの名前と姿も出て来たのが、より一層悲痛。

「クラピカもボクと約束して
クラピカが戻ってきたらボクが1つだけ質問する
楽しかった?ってボクが聞くから
心の底からウンって答えられるようなそんな旅にして来てね!」

それが、パイロとの果たせなかったクラピカの約束でした。
彼らが思い描いていたのは、未知である「外の世界」への旅。
ある意味、暗黒大陸という真に未知の世界への旅は、幼少期の本懐とも言えるかもしれません。
ただ、その旅が楽しいものになったとしても、その笑顔を向ける同胞はもう誰一人としていない……

それでも、その後の人生でできた仲間に向ければ良いと思いますけどね!


そんなクラピカは、レオリオにはアドレスすら教えていなかった模様。
単純にウザいというのもあったかもしれませんが、もしかしたら、いざという時にアドレスを辿られて仲間に危害が及ぶ可能性を少しでも減らしていたのかもしれません

と、クラピカに関しては良い方に解釈したくなります。


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人の皮を纏う獣なら
未知の生物よりも遥かに扱いは心得ている


クラピカ…なんて冷たい目ができるようになったの…とキルア母ばりに感激してしまいます。
いえ、元から時折していましたけど、それよりも更に鋭さと闇が増した感。


そして、サラリとレオリオが「ゴンはもう大丈夫だ」、とか言ってます。

その後、三コマだけですが遂に連載再開してから初登場のゴンが!

しかし、ゴンはオーラが出なくなってしまっています。
体は治っても、ネフェルピトーを倒す時に「もうこれで終わってもいい だからありったけを 」という制約と誓約による代償で、もう念能力が使えなくなってしまっている感じでしょうか。

ゴンも、仮に念が使えなくなったとしてもサバイバル能力や基本的な身体能力は高いですし、野生動物を手懐ける手腕も……
と思いましたが、ゾルディック家のミケのようなタイプに対しては無力なのでした。

主人公が能力を喪ってしまう展開は時折ありますが、『幽遊白書』でも桑原が霊力を喪い、次元刀という新たな能力を得る展開がありました。
ゴンも逆にこれは新能力へのフラグなのではないかと。
何せ、フリークス一族は格が違いそうですからね。


そして、ビヨンド陣営に乗り込んだジンはビヨンドの提示した報酬の2倍を前金で払うという好条件を突き付け、No.2になろうとします。
自分の言うことを聞き入れたくなければそうすればいい、ただポジションとしてNo.2は譲れない、とするジン。
その意図はどこにあるのでしょうか。
しかし、ここもたった6ページで超濃厚なやり取りですね。

センリツの親戚のような男、ねじり鉢巻の八百屋のような男、パリストンがまずNo.2であることを了承。

その後のシーンで、そばかすおかっぱ、コック帽、カール眼鏡の三人を加えて講義しているシーンが出て来るので、恐らくその6人に関しては同意を得たのでしょうか。
パリストン含む6人が賛成の意向を示したのなら、残る3人も同意していて良さそうですが、真相は定かではありません。
賛成なら、全員まとめて説明を受けている方が自然でもありますしね。
しかし、パリストン以外にもこのレベルの猛者ならお金なんて要らないという人が多そうな気はするんですけどね。
あって困るものでもないでしょうが。


さて、そのジンの語る暗黒大陸。
トッコーの眼鏡職員の公式発表よりも、より具体的な内容でした。


まず、サヘルタ、ベゼロセ、クカンユ、ミンボ、オチマは場所の名前ではなく、そこに向かった国の名前でした。

そして、五大厄災は「案内人が戒めのために持ち帰らせた」と。

「アイとパプの犠牲者は既にこちらの世界で見つかっている」という言葉からすると、ジンも地下に幽閉されているゾバエ病患者のことは知らない……? と思ったらその後説明されました。
ジンは何でも知っている!

許可庁の地下に非公認で保管されているねじ切れた死体はナニカ含むアイの犠牲者、吸い取られ小さなミイラ状になってしまったのはパプの犠牲者ということで良さそうです。

コック帽とカール眼鏡が知りたがるのが、暗黒大陸のリターン。

ベゼロセ連合国(「ベゲロセ」になってますが、ハンター文字を読むとベゼロセのはず?)が行った北東は山脈。
人飼いの獣パプの縄張り。
リターンはビーズ一粒程度で1日2万kw出力する「無人石」(1200粒で大体原発一基分相当でしょうか)。

サヘルタ合衆国の行った北は、樹海でそれを抜けると古代の迷宮都市。
その都市を守るのが植物兵器ブリオン。
リターンは万病に効く香草。
謎の兵器ブリオンは植物であることも明かされました。
無生物でないなら、まだ対処できる念能力もありそうな予感。

オチマ連邦の行った南東は、沼地。
双尾の蛇ヘルベルの生息地。
リターンは究極の長寿食ニトロ米。

ミンボ共和国がハンター協会の力を借りて行った南東は、霧状生物アイの生息地。
あらゆる液体の元になり得る三原水。
錬金植物メタリオン。
ハンター協会が関わっている所で、ナニカの元となったアイがもたらされたのですか。

ビヨンドが同行したクカンユ王国の向った南はゾバエ病。
リターンは錬金植物メタリオン。


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地図に纏めるとこんな感じに。

どれも非常に魅力的であり、国を動かせるレベルの宝である模様です。

が、しかし、万病に効く香草レベルであれば、わざわざ暗黒大陸に行かなくても、グリードアイランドの大天使の息吹で良いじゃない、と思ってしまいますね。
ニトロ米も、多少代用の効く魔女の若返り薬などもありますし。

後は、お金に関しては金粉少女があれば、1gの金が2000Z位と仮定したら1年で3億Z以上は稼げるはずです。
天空闘技場と併せれば、それなりの能力者なら困らないレベルだと思います。
あるいは、死者への往復はがきとか、1枚1億Zでも買い手が付きそう。

と、まあグリードアイランドの情報は殆ど無いので知りようがなかったでしょうけど、暗黒大陸よりは低リスクでハイリターンなのではないかな、と。

しかし逆に考えて、この便利過ぎるアイテムの数々も暗黒大陸からもたらされた物だったのかもしれない、と考えることもできそうですね。


ともあれ、今回最高に高まったのは、恐ろしく描きこまれた2ページ見開き!
新世界のヤバさがこの2ページによって何よりも雄弁に語られている!
思わずサイレントワルツの2ページと比較した画像を作りたくなるくらい、圧倒的な画面の黒さ!
素晴らしい!

一週間でも長く、このクオリティを続けて頂ければと願わずにはいられません……!

そして、その描き込みに驚いていたら


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この驚き顔の3人にまた驚かされました。

アイザック・ネテロはネテロ会長その人ですが、後の二人は?

二人目は、ジグ・ゾルディック?でしょうか。
ナニカのことがありますし、実力的にもゾルディック家が暗黒大陸に絡んでいても不思議はないですが、ネテロと同い年というマハの息子でしょうか。
ゼノの感じからしても、ゾルディック家とネテロは結構な付き合いがあったんでしょうかね。

そして、その下はリネット・オードブル?
聞き覚えが……


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ああ、選挙編の時に出てきたこの人か!
LINNETでリンネと読むんですね。

生還してまともな生活を送れたのは公的にはネテロとビヨンド含めて3人で、存命しているのもその2人だけ、ということでしたが、ここに生還して無事に生活を送っていた人がもう一人いました。

協会最年長ハンターということで、ネテロと同じく相当な長寿。
もしかして彼ら彼女らもニトロ米を食べたんでしょうか。
グルメハンターですし。
ネテロ達は玄関で帰ったと行ってましたし、要請の仕方からしてもリターンを得た過去がないような感じはしますけどもね。


ビヨンドからはリターンがあるという漠然とした話だけで、リスクは知らされていなかった模様のビヨンド一味。
この話を聞いて、センリツの親族っぽい人以外はそれでも行こうとするのか。


トッコーでは『新世界紀行』と言われていましたが、ジンは「新大陸紀行」と言ってますね。
ちなみに、表紙のハンター文字を解読すると、「こう」「しんせかいき」となっているので、『新世界紀行』が正式名称ではありそうです。

5箇所の場所を目指した各国は、皆この紀行を元に探検した模様。
となると、この5箇所のリターンが最も目ぼしい感じでしょうか。


そして、最大の驚きは、それを記した人物が未だに存命して未発見の西側の紀行を書いている可能性への言及。
その著者の名前は、「ドン・フリークス」……!

ふああああっ………・…!


父親を探す旅として始まった『HUNTER×HUNTER』。
その最大目標が果たされた時、どんな新大陸が出ようと温まることは確実ではないか、と懐疑的でした。

しかし、ここに、『HUNTER×HUNTER』という物語に、今新しい最大目標が掲げられたのですね……!
今まだ存在するかもしれない、人類史上最強かもしれない、もう一人の「フリークス」に出逢うっ……!!


思わずヒソカばりに「ああ、冨樫先生……あなたはやっぱり最高だ……!」と絶頂を迎えるばかりの恐ろしいまでに強い引き!!


純粋に、ただただ掛け値なく続きが気になり、読みたい!
そう思わせてくれる漫画を読めることの、何と幸せなことか。

もう、このクオリティが数年に数週間でも読めるなら休み休みでも良いですから、終わりまでこの物語を描き切って欲しいと切に切に願います。

マンガHONZで『同人王』のレビューをしました

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同人誌で目指す最底辺からの脱出、そして世界平和! これ一冊で同人界が解る『同人王』 - マンガHONZ 

この作品は実に中身が濃く、レビューで紹介し切れていない魅力が多々あります。

途中まで無料試し読みもできますし、何とKindle版が400円というお買い得価格ですので、是非多くの方に触れてみて頂きたいです。

シノハユ the dawn of age 第10話 感想

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前回記事:シノハユ the dawn of age 第9話 感想
割と詰まってる仕事と、連日のW杯で寝不足続きの毎日です。

日本代表は残念ながらグループリーグ突破はなりませんでした。
しかし、三戦目のコロンビア戦前半で見せてくれたサッカーは、今までの日本代表の中でも最も美しい姿に見えました。
選手やスタッフの皆様にはただただお疲れ様でした、日本を背負って戦ってくれて有難うございました、と言いたいです。

格上相手に勝ちに徹するなら、以前のように守備を固めてカウンターとFK・PK狙いを徹底するのが正しいかもしれません。
それでも、攻撃的なサッカーを選択して4年間を準備し、今までにないワクワクするような攻撃も何度も見せてくれました。
それは、『夕空のクライフイズム』でも語られる、美しいサッカーです。
4失点は結果だけ見れば惨敗とも言えるかもしれませんが、リスクを冒した攻めをした結果の4失点ですから、私は全然良いと思います。
正に、「美しく負けることを恥と思うな。無様に勝つことを恥と思え」というヨハン・クライフの言葉通り。

リーチをしたら、振り込むリスクを抱えてしまう。
だからリーチをしない。
そんな麻雀よりも、果敢に攻めて行く麻雀の方がずっと面白いです。

スタイルを変えた四年間が無駄とは全く思いませんし、全ては経験に変わって行くでしょう。
いつかは、そんな攻めの姿勢で頂点を穫れたら最高ですね!

という訳で、『シノハユ』です。




今回でシノハユも10回目、2桁になりましたね。

以下はネタバレ雑感になりますので、ご注意下さいませ。



































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前回の小学生の言葉通りの梅雨時の昨今。
東京は雷雨・豪雨はおろか、あまつさえ雹が積もる所もありカオスでした。

しかし、槍が降ろうが隕石が降ろうが、ガンガン系雑誌を買いに行く足は止まらない……!


さて、第10話「はやり③」。

前回のラストで、「もう会えない」と春日井真深さんに宣告されてしまった所です。
最悪の想像は避けられましたが……

「お菓子の試食もっとしてもらおうと思ったのに」のはやりんに、開幕2ページ目にして涙腺を緩められます。


{A1C2FB68-BB1D-4BC4-B8AC-8186BA0E27E3:01}
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そんなところで、左右頁で病室がデモンズウォールのように狭められているとか、細かいことは気にしてはいけません。

数コマ背景が出て来ますが、473頁下はどういう意図があるんでしょう。
小学校には見えませんが……


教室の後ろに貼ってあるお習字的な物は、一人一人文量が違いますね。
はやりんは何と書いたでしょうか。


お菓子を作るはやりん、その心の中に、まふふが大きなウェイトを占めるようになっています。
最早、恋ですね。


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夕食にハンバーグとブロッコリーとポテトをこんもり盛った白米と共に食べるはやりんの対面に、伊月俊ばりの綺麗なダジャレキャラのお姉さんが登場。
おめかしした高橋さんかな?と思ったら、はやりんのマザーでした!
トップアイドルの実母ともなると、やはり特異なキャラクターをおもちで。

スリッパにもこの後出て来る時も付いているので、リボンが好きそうですね。
可愛い洋服も娘に一杯買い与えていそう。


はやりんに送られてきた手紙、内容はライブチケット!
まふふがライブができる位の体調なのが嬉しいです。


{5A56A617-646F-4E02-997B-DF51AC4F2F82:01}
読める部分を読み解くと……

★★ 春日井 真深 ★
KASUGAI MAFUKA
     LIVE
関東:横浜会場
開催 KYOUDOU チーム
???プロジェクトZOO

ZOO?高校生代打ち集団ですか?

ともあれ、全国ライブの会場が横浜のようです。

横浜。
シノハユで横浜といえば、言うまでもなく慕の元々住んでいた地ですね。
何か今後その辺の展開もあるでしょうか。

慕の同級生が再登場するとか有り得ますので、北神奈川の強豪・東白楽もマークしておくべきですか。


まふふのライブに行きたいと申し出るはやりん。

おばあちゃんはシンガポール旅行とか。
ガツガツ感に定評のあるおばあちゃんも、その後の体調は良さそうで何よりです。
良いですね、アグレッシブで優雅な老後。

年齢的にも一人で東京に行かせるのは難しい所でしょうが……
娘の意志と経験を尊重してあげる素敵なお母様ですね。
「小2でしょーに」という、一生に一年しか使えないギャグをあっさりと何の感慨も見せずに発する姿もすばらです。

「やぶさかではない」が伝わる小2のはやりんもすばらですが。


{48CCF495-CB3B-4886-A23E-EF0CFA89B866:01}

この、受け継いだ髪飾り型マドレーヌに、思わず号泣です。
写メールするはやりんがあまりに健気……
くぅぅっ…………


{04C064ED-C346-4A12-B7E8-522469268496:01}

この時、はやりんの服装も可愛いのですが、それ以上にはやりんママの服装が個人的に凄く好き。
先程の登場シーンの服装も含め、あまりに松実玄さんに似合いそうです。
常日頃から、街でも可愛い服装を見ては「これ、松実玄さんが着たら可愛いだろうなあ(胸に温かいものが宿り満面の笑み)」と考え続けていますが、これはなかなかのなかなかですね。


そして、ここで現れるのがオシャレな服を纏った高橋さん。
尾行にその服装は向かないんじゃ、と思わなくもないですが。

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「タカハシさんを探せ!」みたいになっている背景です。
島根の自宅から横浜アリーナまで、見失わず尾行を完遂する高橋さんの隠密スキルの高さ。
高橋さんは絶の達人ですか。
ステルス高橋さんの独壇場っスか。


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そして、一体いつの間にマネージャーと意思疎通を果たしていたんでしょうか。
接触する機会は普通に読んでいる限りではなかったと思うので、そこでも高橋さんの暗躍を感じさせます。
そんな高橋さんがいたからこそ、はやりんママも可愛い小学二年生の娘一人で行かせることを承諾できたのかもしれません。
ハギヨシといい、この世界の使用人はレベルが高いです。


そんなこんなで、松江から特急やくもに乗り、恐らく岡山で新幹線に乗り換えて関東に初上陸したはやりん。

{11B1D3B8-84EB-468D-9C98-A070868A2B9B:01}
{0069E98B-3F1F-49E9-8517-3B2618831AE6:01}

こういう背景コマを見て、真っ先に思い浮かぶのは、ある人物の顔です。


だーはらさんは期待を裏切らない!

しかし、一方で


関東民が島根にいないことで何故か驚愕される、美しすぎる世界。

それに対し、当のだーはらさんは

贖罪。
明後日には向かわれるようですが、当日に舞台にいないことは、最早罪である、と。
この到底常人には到達し得ない意識の高さ、毎回敬服するばかりです。
きっと飛行機を予約していようがキャンセルして、帰りには特急やくもと新幹線を使って新横浜経由で帰ってこられることでしょう。
すばらですよ……

新幹線の通り道外観カットは、素人目に見ても特定がちょっと難しそうだな、と思いましたが、既に特定に向けた動きがそこかしこで散見されますので、時間の問題でしょう。

恐るべし、探訪班。


追記
今回登場した鉄道にフォーカスしたすばらな記事を、桜高校鉄道倶楽部れんらく帳のセカイさんが執筆なさっていました。



ライブにやって来たはやりん。
まふふは控室にもベッドを持ち込んでおり体調が心配されますが、それでもライブが始まれば最高の輝きを見せるアイドルの鑑。

「ちょーがんばる」というまふふに、姉帯さんを感じます。
山奥で昔のアイドル映像を見続けて、口癖が伝染ったとかだったら面白いですね。


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水樹奈々様を髣髴とさせるパフォーマンスまで行うんですね、牌のお姉さんというのは。
横浜アリーナを埋め尽くすサイリウムの海で、まふふの姿に完全に心を奪われるはやりん。
ああ、はやりんがアイドルを志向する原点がここにっ……!

すごいなぁ
やっぱりみんなを楽しませて
元気にしてくれるために
がんばってる人なんだ


この後、はやりんは演技や歌、そして麻雀の稽古なども始めるのでしょうか。

しかし、そこから研究者への道を経て最終的にプロ雀士アイドルに行く、というのもなかなか興味深い所です。
その辺のお話も気になりますね。

現在のはやりんも笑顔の裏で相当な無理をしていないか心配になります。



ところで、安定のドラクエ10コメントの五十嵐あぐり先生ですが……


と仰っていました。
1日5ページということは、20日でも100ページペースであり、週刊作家並なのですが……(事実、阿知賀編最終話などはそんな感じでしたが)
作画専業ですので、ネームなどの作業は含まれませんし……
しかし、今回も含め最近の『シノハユ』は毎回30ページ台です。

むむむ?
これは、水面下で何かが行われているのでしょうか。
そろそろ告知が出ても良さそうな、『シノハユ』2巻の告知も全然出ないことも関係しているのかも……?

また、明かされていない阿知賀編新エピソード冊子が全国編BD最終巻に200ページくらいで付く、とかだったら東京から吉水神社まで毎日お礼参りに行く勢いですが。


咲日和分が足りずちょっと残念でしたが、何かがあることを期待して生きて行きたいと思います。

HOLY HOLY ホーリーホーリー1巻

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HOLY HOLY ホーリーホーリー1巻
菅原キク
アース・スターエンターテイメント

マリア様へ祈るのはいつも
世界の終わり


公式サイトで2話まで試し読みできます。

「ごきげんよう」と挨拶するお嬢様たちの物語はお好きですか。
未知の脅威に晒される極限状況下でのサバイバルサスペンスはお好きですか。

どちらもお好きなら、『マヨイ屋の店番 トキワ』『昭島スーサイド☆クラブ』の菅原キク先生の最新作は如何でしょう。


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世界的な財閥の令嬢が多数通う、聖エルレシアン女学院。
その女生徒たちは、ドバイへの修学旅行中に海難事故に遭ってしまう。
その内、十数名は謎の島に漂着。
食料も水も限られた状況の中、頼みの綱の無線も通じない。


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理知的で冷静な少女・草間トリノや、皆の憧れの存在である東伏見笙子を精神的支柱に、お嬢様たちの極限のサバイバルが始まる――

勿論、私は黒髪ロングストレートで心優しい笙子さんを応援しております。

しかし、
たおやかな仕草でマリア様に祈りを捧げ、鈴のような声で上品な会話を交わしてきた生粋のお嬢様である彼女たちが、この生と死の狭間という境遇に陥った時、その奥にある人としての本性を曝け出して行きます。
パニックホラーサスペンス物においては、往々にしてそこが見所の一つですが、「お嬢様」という聖域的な場所からの涜聖的なギャップが、今作の大きな魅力になっています。


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そして、彼女たちが流れ着いたこの島には、先住する存在がいました。
目が見えず、耳も聞こえない少女と、14人の子どもたち。

童話のように語られる、もう一つの物語によって仄めかされる、島に伏在する絶対的な恐怖の存在。
この演出がとても上手いですね。


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アングルなども実に巧みで、「未知の存在に対する恐怖」を非常に効果的に煽ってくれます。
『進撃の巨人』や『アポカリプスの砦』のように、脅威となる存在がはっきりと解っているものも怖いですが、命を脅かすものが正体不明である恐怖、というのはやはり別格です。

それなりに残酷な描写も出て来ますので、そういったものが苦手な方はご注意を。


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又、お嬢様学校の生徒ということで、欠かせないのは勿論百合です。
若干ではありますが、そういった描写もあります。

心の病気を拗らせてしまっている系の人物もおり、人間の暗部を覗きたい方にもお薦めです。

お嬢様×百合×サバイバルサスペンスということで、人は選ぶでしょうが、好きな人は好きでしょう。
『漂流教室』や『蒼界のイヴ』などが好きな方は、お手に取ってみては。


70点。

南紀の台所1巻

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南紀の台所 1巻
元町夏央
集英社ヤングジャンプコミックスジャンプX

公式サイトで1話試し読みできます。

南紀の食べ物といったら何をイメージしますか?

やっぱり、まずは何と言っても紀州梅でしょうか。
しかし、それ以外には一般的に強く思い浮かぶ物がない、という方も多いかもしれません。
 
吉野から熊野に至る参詣道、紀伊山地は世界遺産となっており、私も度々訪れている愛すべき場所です。
その、南側の麓にあたる南紀が、今作の舞台。

知られざる南紀の様々な美味しい物が登場します。


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主人公は、30歳の飲食店で働く女性、蘭。

彼女の恋人である巴が念願の海洋深層水研究職に就けたことにより、南紀に転勤することに。
それを切っ掛けに結婚し、慣れない田舎暮らしがスタートする――

元々、「住みたい街」不動のNo.1である吉祥寺で、何不自由のない優雅な暮らしを営んでいた蘭。
そんな彼女、バスは一日に二本、スーパーもなく、美容室も洋服屋もオシャレな職場も何もない場所へ来て、最初の内は消沈します。

私自身も田舎暮らしに対してのアンテナは高いので、都会から田舎へ移住するお話は、最近の『田舎の結婚』(75点)といい、興味津々です。
車を使う必要性に駆られて、田舎の教習所に通うシーンで、教習所の周りに食べるお店が皆無なのでカップラーメンを一人10個自由に持って行って良いシステムなども実にリアル。


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家の柱に鹿が挟まって出られなくなってしまったエピソードなども、恐らく実話から来ているのでしょう。
東京生まれ、東京育ちの身には想像もできない新生活。

しかしながら、美味しいものが好きで料理が大好きな蘭は、様々な南紀の美味しいものに出会うことで、その魅力の虜になっていきます。

山も海もあり、水も美味しいのが南紀。

伊勢海老に鯛、山菜に鹿肉……

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その料理の数々が、実に美味しそうに描写されます。
タラの芽の天ぷらとか、シカのたたきの握り寿司など、とても食べたい!
読んでいてお腹が減って来るので、読む時間に注意です(笑)

又、主人公が料理をしているシーンは実に生き生きしていて、自分でも何か凝った品を拵えたくなります。
「胃袋を掴む」という言葉がありますが、料理が上手いというのはサイバイバルスキルとして実に大きいな、と。
世界のどこに行っても、周りの人に振る舞えて喜んでもらえる、というのは素敵なことだなと感じます。


鹿肉を捕らえてジビエにする件では、『山賊ダイアリー』や『銀の匙』的な趣も。


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又、味王様やコンブよろしく、グルメ漫画で大事なのは食べた時のリアクションですが、今作では独特の透明感ある美味さへの感激の描写を見せてくれます。
『花のズボラ飯』ほどではないですが、若干フェティッシュな印象すら。
主人公以外の反応ももっとオーバーに描いても良いかもしれません。


元町先生自身、東日本大震災を切っ掛けに東京から三重へと転居された方(それを描いたのが一つ前の単行本にあたる『東京を脱出してみたよ! 脱出編』)で、そのこと自体には賛否あると思いますが……
ともあれ都会生活からの田舎暮らしの実体験を元にして、多くの人が楽しめる作品として仕上がっていると思います。

田舎暮らしに興味のある方、料理が好きな方、美味しいものが好きな方、広くオススメできます。


70点。

橙は、半透明に二度寝する1巻

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橙は、半透明に二度寝する1巻Kindle
阿部洋一
講談社マガジンコミックス

こういうまったりした時間が
一番幸せだよね
変わったことなんて起きなくていい
普通がいいよ普通が


マガメガで1話試し読みできます。

『血潜り林檎と金魚鉢男』『バニラスパイダー』の阿部洋一先生の最新作。
ということは、否が応でも注目せずにはいられません。

読み終えて、良い意味で「ああ、阿部洋一作品だ」としみじみ感じ入りました。


今作は、一話完結型のオムニバス。
各話に世界観の繋がりを感じさせつつ、独立したお話を女子中学生が中心に繰り広げる短編群です。

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何と言っても、強烈にインパクトがあるのはイカと戦っている女の子。
出会い頭に衝突したら、カバンの荷物をぶちまけ、その中身が全てスルメだった女の子。
一個回収し逃していたスルメを届けに行こうとしたら、その子はイカと戦っていた――
何を言ってるのか解らないと思いますが、私も解りません。
スルメをぶちまける美少女から始まる物語に興味があれば、是非。

日常の中に非日常が自然に溶け込んでグラデーションになっており、最近だと宮崎夏次系先生やpanpannya先生などニューウェイブ系に通底する雰囲気が今作にも感じられます。


その次に印象的な、試し読みできる一話目もなかなか凄いお話で。
帯付きの実物だとあまりよく判らなかったんですが、表紙だけの書影を見ると判る通り、少女が愛おしげに抱えているのは……
そんな二人が満月の下、水辺でアップルジュースを飲む見開き。
その静謐の中の狂気が凝縮された見開きが、美しさを感じさせてくれて素晴らしいです。
表紙から期待された百合分は、この作品が一番強かったです。

他にも、「おおきいおんなのこ」のような解りやすい短編も良いですね。

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読み終えた後に再度読み返すと、伏線となっている描写に気付けてまた楽しめます。

全話に共通する、第三者視点である大人の、松葉杖と眼帯と手袋の警察官。
彼が手袋を付けていないパートにも何か意味が込められていたりいなかったりするでしょうか。


他作品と同様に、独特のタッチで可愛らしい絵柄ながら、割とおどろおどろしく流血沙汰もあるので、苦手な方はご注意を。

ニューウェイブや、阿部共実先生の作品が好きな方、カケアミで描き込んだ画風が好きな方にはクリティカルに刺さる1冊ではないかと思います。

続巻が出るとしたら1年程待たねばならないのが辛い所ですが、覚悟はできています。


70点。

最近のゲーム事情 ダムウォ、うたプリ島、アスタリア、FFアギト

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ワールドカップが盛り上がる中、アストルティアのメッシに会う度に(何もかもが違いすぎる……)と思わずにはいられない今日この頃。






最近は全然コンシューマゲームをやってなかったのですが(DQ10以外)、久々に購入したのがこの作品。
懲役100万年のCMでもおなじみの『フリーダムウォーズ』です。

47都道府県対抗の要素がある今作、我が魂の故郷である奈良に貢献しよう、と。

現在奈良県は30位前後で、当たり前ですが東京や大阪が強過ぎるので一矢報いたいです。


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とりあえず、キャラメイキングは松実玄さん風に。
名前も「松実玄」で開始。


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マスコットキャラのプロパくんにも、玄さんの魅力が伝わ……


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プロパくん、ちょっと屋上行こう。


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又、今作は「アクセサリ」という、お供のアンドロイドのようなものも外見を自由にできるので、こちらはSO2のルシフェル風にしてみました。


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何と、アクセサリの方は好きなセリフを細かい発音や速度まで設定して戦闘中に喋らせることができるというすばらさ!
漢字の読み方までは設定できないので、たまに変な読みをしてくれる時がありますが(笑)

プレイ感覚としては、『ゴッドイーター2』などに近い感じで、グラフィックもDbDで美麗です。

戦闘中のアクションの要になる「荊」システムは、進撃の巨人の立体機動をやろうとしたらこんな感じなんだろうな、と。
たった一つのシステムなんですが、これがあるだけでアクションゲームとしての爽快感が素晴らしく跳ね上がっています。
最初はぎごちない動きしかできませんでしたが、慣れてくると空間を自由に飛び回る感覚が病み付き。
溶断で連打を要求されるので、Vitaのボタンの耐久度が心配ですが……

キャラクターも良く、第三階級くらいになってくるとストーリーも気になる感じになって来て、これから先が楽しみです(現在4-4)。

欠点としては、ロードの長さ。
戦闘移行時は勿論、マップを移動して切り替えるだけで10秒近く待たされるのでテンポが悪いです。
その為、街でのイベントやセリフ回収も億劫に。
ゲームを進めると、コマンドでワープできるようになるのでストレスも緩和されますが、それまではちょっと大変かも。
ロード中にできるタスクを一緒に用意しておくのが一番かもしれません。

後、インフラストラクチャモードの解禁が夏休み頃目標らしく、それまではネットを通しての共闘ができないのは残念なところ。
マップは作り込まれているので、これは共闘、あるいは対戦したら相当面白いと思います。



「うたプリアイランド」

巷では早速「課金島」などとも呼ばれている(笑)、「うたの☆プリンスさまっ♪」の待望のソーシャルゲーム。

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あまりに殺到してインストール(入国)を拒まれる方もかなりいたようですが、幸い私は何も問題なく普通にDL・インストールできました。

IDは「104236198582」ですので、招待ID使用・フレンド申請ご自由にどうぞ。

その後、長期メンテナンスが入ってしまい、月曜18時までは出来ないことになってしまったのですが……
最初の「ブロッコリー」「うたプリアイランド♪」の声を聞いているだけで神ゲーという意見もありましたが、割と同意です(笑)


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私はトキヤ推しなので、トキヤでスタート。
想像以上にキャラが喋ってくれるので良いですね!
他の皆のも聞きたくなります。

早くインテリアで部屋を飾り付けたいです。
くじや、ゲームクリア特典でもらえる様々なぴよちゃん、かわいい。


ゲーム部分はまだパズルしかやってませんが、シンプルでありつつ、課題をこなしながらスコアを上昇させるという楽しみがあるので、いい感じです。


何回かくじを引いてみて

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最初に当たったのはレンさまでした。

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レアくじは、なっちゃん。
これはトキヤを揃えたくなる=貢ぎたくなる……

課金しなくても十分遊べますが、部屋をデコレーションしたりお気に入りのキャラのスチールを埋めようとするとどうしてもジュエルを購入せねばならなくなってくるでしょうね。

とりあえず、月曜18時に無事にメンテナンスが終わることを祈りつつ……





「テイルズオブアスタリア」

貴重な桜庭統分を摂取できるゲームとして、ちびちび遊んでいます。

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イベントでのアイテムドロップのあまりの偏りに泣きながらも……


無課金ですが、召喚5回で★5が2枚出るので差し引き強運です。

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回復持ちのマルタに


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秘奥義の威力が高い、人気投票1位のジュードと、キャラ的にも申し分ありません。

最初に当てた★5がリオンでしたので、後はノーマルのリグレット教官さえ来れば、とずっと願い続けていた所


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今朝方、ようやくねんがんの教官を引いたぞ!
他の六神将は8枚位弾いてるキャラもいるので、地味に長かったです。
★1なので、なかなかパーティには組み込みにくいですが満足です。

後は、バルバトス★5やダオス★5、リリス★5とか来たら良いなあ、と。




「FFアギト」

FFアギト雑感

で色々と書きながら、「キャラゲーとして考えれば十分」と述べたアギトですが……
その後、数日で大分評価は落ちてしまうことになりました。


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一応、三期連続で1組であり続けている程度にはやっているのですが……(職業は黒→黒→白)

パッと思いつくだけでも

・討伐戦ボスの強さ設定が極端
初回から幾度ものやらかしに多くのプレイヤーが不満を顕にしていましたが、それら全てを超えて昨日のアイスギガースイベントで遂にそれが極まったと感じました。
運営はスクウェアエニックスでなく、外部のたゆたうという会社が行っているらしいですが、最初期の失敗を全く生かしていないミスで、プレイヤーを怒り状態にすることだけは長けているという印象です。
対応も含めて、今後に全く期待が持てないと思わせるに十分。
スクエニは他のソシャゲでも経験が生かされていない部分が多く見られるので、本当に何とも言えず……

・レベルが極端に上がりにくい
RPGにおいてレベルアップというのは大きなモチベーションですが、そのレベルアップに必要な経験値が尋常でなく高いです。28から29に行くには1万ほど。4時間弱で回復して得られる経験値は100~200。流石にしんどいです。

・アギトの塔が塔じゃない
零式の隠しダンジョンであるアギトの塔出現に気持ちは高揚したのですが、使い回しのフィールドマップで全く塔でもなんでもないのが謎過ぎました。
DQ7の隠しダンジョンのような感じです。

・実装していない決断システム
予行をやる意味がよく分かりませんでした。

・操作のレスポンスの悪さ
メニューの一つ一つを行うのにも微妙なウェイトを要し、テンポが悪いです。
合成やアイテム売却、アビリティ設定にも無駄に時間が掛かります。
いいねを押す時が特に顕著で、ただでさえボタンの判定が微妙で無駄にステータスを開いてしまうことも多く。
一括いいねができれば良いのですが、個別にポイントが違うので難しいのでしょうねぇ……

・ガチャを回すモチベーションが湧かない
武器はイベントで落としたもので十分で、防具はモードが最強すぎてそれ以外は不要な感じ。
討伐戦の特攻装備が目玉としてありますが、ボスの強さが極端なことが災いしています。
弱過ぎると何のために取ったのか解らなくなり、強過ぎると倒せない相手に投資した無駄が煩わしく。
単純に欲しいと思えるものが強化用のモードくらいしかないので、ガチャチケットが100枚ほど余っています。

・そもそもスマホ向けではない
プレイしているとiPhoneは発熱し激しくバッテリーを消耗しますし、気軽に遊ぼうと思っても起動に時間が掛かるのでスマホゲームの長所を殺してしまっている感じ。
スマホの寿命を縮めてまで必死に頑張りたいと思える内容だったら良かったのですが……
これなら最初からVitaなどで新作として作りこんで欲しかったです。


残念ながらこれ以上バトル面で遊ぶのは苦行なので、イベントと会話だけ楽しむ方向に移行しようかな、と。


月島さんが作っているシナリオや、イベントは面白いだけに、本当に勿体無く感じます。

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女性と達が中庭に集まっていると思ったら……


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!?


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お前、軍令部長!
何をしとるだー!

といったイベントや、男たちが学食に20倍サボンテンダーカレーを食べに行くエピソードなど笑いました。

学園を歩き回っている分には楽しいです。


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何より、エースさんがやっと登場したのが嬉しい!!


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今回の0組はエースさん一人、ということでちょっと可愛そうな状況に。
だがそれもいい。
エースさんとチョコボを見学したいアギトでした。

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2014年7月前半新刊チェック

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オランダvsメキシコでオランダが後半43分からの逆転劇を演じ、今大会個人的最注目パーソンであったミゲル・エレーラ監督の勇姿がもう見られなくなってしまったことが大変遺憾です。
ロッベン選手らをもっと観ていたいという気持ちもありましたが、悲しいものです。

そんなサッカーに燃える日々を過ごしている内に、あっという間に6月及び今年も今日で終わり。
続々と迎える最終回のチェックと並行して、7月の新刊もチェックです。


4日


5日

7日

8日

9日

10日

11日

14日



『海街diary』『7SEEDS』『ちはやふる』『アオイホノオ』『放課後さいころクラブ』などの熱い新刊群、マンガボックス勢の新刊ラッシュ(個人的に『音無さん』や『新宿D×D』は結構好きです)。

それらに加え、7月は注目の新作が山のように発売されて嬉しい悲鳴です!

清水玲子先生の『Deep Water<深淵>』。

とり・みき先生とヤマザキマリ先生のコラボレーション『プリニウス』。

沙村広明先生の『春風のスネグラチカ』。

小松左京先生の『お召し』を原案とする萩尾望都先生の『AWAY』

サトウナンキ+きづきあきら先生の『さよならハルメギド』。
試し読みできます。

『本屋の森のあかり』磯谷友紀先生の新作『海とドリトル』。

『スフェリコン』渡邊ダイスケ先生の新作『善悪の屑』。

もう、どれも注目です。


梅雨空が続く中ですが、良い漫画ライフを。

PR: 今こそ知ってください!予備自衛官制度-政府ネットTV

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災害救助や後方支援などに当たる、創設60周年を迎える「予備自衛官制度」をご紹介!

HUNTER×HUNTER No.345「署名」感想

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連載再開から5話目。

遂に恐れていたことが現実になりました。


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次号ハンター休載ッ……!
長期休載の後なので、最低でも8週間くらいはストックがあるだろう……
そんな風に考えていた時期が私にもありました。
多分、長期休載明けでは最短記録ではないでしょうか。

しかし、読んでいる人なら解る筈です。
特に前回がスゴかった、超作画!
ゴンのように「もうこれで終わってもいい」という、命を燃やして描いている凄味がありました。

そして、今週も休載の兆候などまるで感じらず、コミックスにそのまま無修正で掲載できる程、背景まで緻密に描き込まれています。
早く続きが読みたいのは確かですが、1週休むくらい全然良いので頑張って欲しいですね。

来週の特別企画とは一体何でしょうか。



以下は、ネタバレ感想になりますので未読の方はご注意を。
















































という訳で、HUNTER×HUNTER No.345「署名」。

今号は、ゴンのオーラが出ない件についてゴンとジンの会話から。

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二人が普通に話しているのが物凄く感慨深いです。

ジンの語るには、ジンには普通に念は見えていたので、ゴンがそれが見えなくなっただけ、と。
凝などはできず、相手の念能力の強さもわからない状態になっている模様。
それは前回私も触れた通り、に「もうこれで終わってもいい だからありったけを 」の代償なのですが、それだけ尽くしてもまだ「普通」に戻れるだけの余力はあったようです。
フリークス家の力と言うべきでしょうか。

そして、「今のお前がやれる事は何か」言われ、力を失ったゴンはくじら島に帰還。

これまた何年ぶりか分からないミトさん登場!

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ジンのオーラを感じ取れる状態だったら、ジンに着いていったかも、というゴン。
ジンに会うということではなく、ジンを見付けるというハンター的な行為の方が目的だったと会って気付いた、と。
親子というより親戚のおじさん、という感じは会ってない時間を考えればそうなんだろうなぁ、と。
大望を果たした主人公のその先を描く物語、という意味でも興味深いです。

しかし……この展開だとゴンが暗黒大陸に行く動機も最低限の力もない感じですね?
キルアはアルカ絡みで何とでもなりそうですが、さてはて。


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そして、件のジンの方はビヨンド一味の正体を看破。
協専、協会からの依頼を専門に受けるハンターである彼らがそもそもハンターになったこと自体が、ビヨンドの暗黒大陸渡航の為の計画の一部。
ネテロに枷を課せられた頃からずっと考えて準備して来たことなのでしょう。
そして、協会内でのパリストン派として動き易くするための存在でもあったと。

金銭の為に暗黒大陸に行くのは解せませんでしたが、それぞれが暗黒大陸攻略のための先鋭化した技能を磨き続けて来て、そこに自信を持っているとしたら納得です。
最大25人くらいはビヨンド一味がいる、と。

ビヨンドは実行部隊に15億、待機要員に2億払うという約束らしいですが、アレ、それだとこの前言っていた「生まれ変わってライセンスを売っても足りない」額ではないような?

パリストンは、初めて人間を嫌いになれそうで、好きな人間は壊してしまいたくなる自分が人を嫌いになった時はどういった欲望を抱くようになるのか興味津々。
これは本が薄くなるな……


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無駄に頁数を割いて描かれた社交場、サイレントでイケメンに連れて行かれたギャル二人を待っていたのは、カキン王国第四王子ツェリードニヒ=ホイコーロさんだ!

緋の眼をコレクションしている彼は、前途ある若者が極限状況下で見せる総合芸術を楽しむという、大層歪んだ趣味をお持ちの様子。
盛り場にいた若い女の子が何人も行方不明になる位、王子の力でどうとでもなっちゃいますか~。
ヒッグスとかESとかiPSとかセリエAとかリーガ・エスパニョーラとかカントとかヘーゲルとか、現実世界の固有名詞なのに違和感があるんですが、ハクホーとクロカルだけ解りません。
クロカルはクロロ×カルトの可能性が微レ存……?
短時間にこれだけのことをどんな流れで話したのかは気になります。
しかし、曲がりなりにも王族なので教養ある下衆、というキャラが何とも良いですね。
この後、物騒なことを言っているクラピカにどんな目に遭わされるやら……


そして、十二支んとビヨンドのパートへ。
これだけ場面が飛び飛びでも、そこまで散逸的なイメージを持たずに普通に話を追えるのがハンターの凄い所だと思います。

暗黒大陸へ向かうビヨンドは24時間監視付きの部屋での生活、外出時は複数の監視員の同行と追跡装置付き足輪、通信は全て検閲、協会への反抗禁止、全ての拾得物の権利はV6に帰属しその情報開示も禁止。
かなり厳しい制約のように思いますが、ビヨンドはそれくらいで妥当、と即座にサイン。
サインのハンター文字は「ビヨンド=ネテロ」。

面白いのは、これで「お前ら」は「許可」を得た、という発言。
監視員という名目で、公的に暗黒大陸に同行できることになった十二支ん。
あくまで自分が主体であるという絶対の自信が滲み出る発言ですね。
そして、やはり「許可」「資格」「手段」「契約」というジンが言っていた4つはキーワード。

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「資格」は最低限の強さでしょうか。
「手段」はカキン王国の用意する船。
「契約」は門番との契り。

さりげなくまたしっかり二人連れ込んで来るマイク、有能。
ツェリードニヒさんもいちいちシャワー浴びた後に髪を乾かして服を来て迎えてるんでしょうかね。


それぞれが少しずつ描かれていることで、話は進んでないようでいて情報量の多さは変わらない回でした。
流石に前回が神回過ぎたとはいえ、今回もこの描き込み量は純粋に凄いなぁ、と。
再開時どうなっているかが心配ではありますが、再来週には載っていることを祈りつつちょっと長い二週間を待ちましょう。

このマンガがすばら!兎来栄寿選2014上半期

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毎回、特に縛りナシでその期間中に読んだ漫画全てから選出していた、「このマンガが素敵!兎来栄寿選」ですが……

今期は、1月1日~6月30日の間に発売した「単巻」or「一巻目」という条件付きでピックアップしてみました。
そうでないと、『花もて語れ』『草子ブックガイド』『HUNTER×HUNTER』など変わり映えしない内容になってしまいますからね。

順位は上位以外は便宜的なものとご理解下さい。

詳しい作品内容はリンク先の紹介記事を参照のこと!



10位

あの娘にキスと白百合を
素晴らしい百合をありがとうございます!


9位

ナナのリテラシー

電子書籍の現実と未来、そして次巻ではソーシャルゲームとテーマが興味深いです。


8位

四月八日のまえがきに
紹介記事

何てほんわか優しく温かいSF!


7位

アルテ
紹介記事

今季の西洋モノならこれは外せない!


6位

ガンダムを創った男たち。
紹介記事

大和田秀樹さんがガンダムのメイキングを描いたら面白くない訳がなく。


5位

夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない
紹介記事

宮崎夏次系というセンスの凝縮体がもたらす、言語化していなかった感情。


4位

バベルの図書館
紹介記事

物語の無限性を物語る物語。



さて、ベスト3の前に、番外編でこれもオススメ!or個人的に好き! という作品を。



死にたがりと雲雀
紹介記事

切なくも温かい江戸時代の情趣溢れる物語は広くオススメです。



あわいの庭師
紹介記事

生と死の境で顕在化する人の想いの綾。



おもちゃの教祖さま
紹介記事

ロリババア教祖のカルト宗教漫画!



先生の白い嘘
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心が、痛くなる――



アンの世界地図

ゴスロリin徳島というだけではない、沁みる少女漫画。



夕空のクライフイズム
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美しく負ける為に! サッカーネタ満載。



ステラとミルフイユ
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これは本当に良い少女漫画です。



週刊少年ガール
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毎回の工夫、紙の書籍でしかなし得ない表現。



ヒトはイカにして滅んだのか?
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柴谷けんという才に、世界はもっと着目して良い筈。



HOLY HOLY
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お嬢様たちが無人島でサバイバル! 謎のクリーチャーもいるよ!



ムルシエラゴ

『ブラクラ』『デストロ』好きな方は是非これも。



そんな所で、ベスト3を!


3位

ちーちゃんはちょっと足りない

今までに無かった、「足りなさ」の描写に胸を締め付けられる傑作。


2位

幻想ギネコクラシー
紹介記事

ただただ天才です、としか。


1位

夜とコンクリート
紹介記事

やはり「青いサイダー」を擁する『夜とコンクリート』は偉大なのでした。
布教用に二冊目を買ってしまいましたからね。



WEB漫画では、

死んで生き返りましたれぽ その1 | 竹尾 PIXIV

が一番衝撃を受けました。

土曜0時のターミナル
http://urasunday.com/u-2_07/comic/001_001.html

こちらは純粋に面白かったです。

『25次元のダイス』
は個人的にとても好きで『MMR』好きにオススメなんですけど、続きの公開が延び延びになっていて生殺しです(苦笑)



忘れている物もありそうですが、思い出せる範囲ではこんな感じに。

逆に、この記事を読んでいる方の上半期ベスト10などもあれば是非コメントで教えて下さい。


下半期も良いマンガライフを!

花もて語れ11-12巻 舞台探訪in赤坂

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以下は『花もて語れ』11、12巻の舞台となった場所への探訪、いわゆる聖地巡礼とも呼ばれる行動の記録です。

レビュー・感想記事とまとめようとしたら、語りすぎて容量オーバーになってしまったので(笑)分割します。

未読の方はご注意下さいませ。
















































































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11巻3頁1コマ目

この建物は赤坂コミュニティぷらざでした。
流石に中までは入れませんでしたが(笑)
ただ、もしステージに一般でも入れる機会があれば潜入するのもアリですね。

ちなみに、ストリートビューなどでこの付近を駆け巡ったものの、この建物を見つけることはできなかったのです。
道路上の立入禁止白線や、緑が上空からの目印になりそうでしたし、歩道橋が付近にありそうだというヒントもあったのですが……

では、どうやって見付けたかというと、


{1948A0A4-5E12-4745-BB6F-739A76C7F11D:01}
{5B3E8579-DE40-4C1F-9634-0DF37A00DBB0:01}
12巻166頁2コマ目

このカット、ハナの後ろに交番があるように見えたので、赤坂付近の交番をピックアップして探してみました。
話の流れからすると、ハナがいるのは赤坂駅からは離れたどこかの駅の最寄り地点のはずだったので、赤坂見附駅を出てすぐにあるこの交番が一番有力候補だったのですが、果たしてビンゴでした。


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{BBC8EDD6-622F-494E-BEE7-FD5466CC354D:01}
12巻166頁4コマ目

そして、付近の道路を見比べて、動線的にも自然なこちらの方へ向かってみました。
ちなみに、上記のハナの座っていた場所はキャッチのお兄さん方がたむろしており、こちらの道路に至っては非常な混雑で、これだけ人通りが少なくなるのを押さえるのにも30分近くの待機を要しました(笑)

そして、そこをそのまままっすぐ行くと


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12巻166頁5コマ目

見事に見覚えのある柱が!
思わず興奮してしまいました。
キャラクターの動線と矛盾しない形で舞台があるのは、とても素晴らしいですし嬉しい事です。
実際に歩いたことで、ハナは最寄り駅に飛び出しながら再び失意の下で会場に戻ったことが確認できましたし、その時の気持ちを実際にあるくことでよりリアルな想像力を持って捉えられます。


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12巻167頁1コマ目


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同3コマ目


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同4コマ目

歩いて行く上で、赤坂付近ではそんなに数がない歩道橋がこの道路にはあったのも、期待を込めて歩き続けられたポイントでした。
向かい側の石垣と緑も含め、期待が確信に変わって行く瞬間は舞台探訪の醍醐味ですね。


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同7コマ目

ここは俯瞰がきつく、手持ちでは限界がありました。
背伸びしてぷるぷるしながら撮っており、細かくアングルが合わせられていません。
脚立か肩車のサポートが欲しかったです(笑)


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12巻164頁2コマ目

一方、旧知の仲でありイっちゃんのことを理解しているきなり先生は、一つ離れた東赤坂駅で待ちます。
ちなみに、「東赤坂駅」という表示が描かれますが、実際は赤坂駅になります。


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12巻165頁4コマ目

その柱に、きなり先生を感じます。



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12巻169頁1コマ目

コンクールが終わり、日が落ちる6時半まで待ったものの、現れず帰ろうとしたきなり先生。
しかし、そこにかかる「きっちゃん…?」の声。



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同4コマ目

ここでね、振り向かずに声の主がイっちゃんであると確信して震え、涙と笑みが零れるきなり先生が堪りませんよ、本当に。


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12巻170-171頁見開き

今回、一番押さえておきたかったカット。
TBSや赤坂サカスなど主要スポットに行く際に私自身よく使う出口ですので、見た瞬間に感動しました。
ちなみに、人通りが極めて激しい所ですので、朝一で行くのが望ましいかと思いきや、そうすると後ろのお店が開いていないので、23時頃に行くのがベストかと。


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23:30まで営業している、東京くるりぃむパン。


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ちなみに、この冷やしくるりぃむパンは苺やチョコレートなど色々な味があり、美味しいのでオススメです。


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12巻176頁3コマ目

もうこの辺は読んでいた時は号泣な訳で。
撮影しながら泣きそうになる怪しい人でした。
後ろの桜の写真がまだそのまま残されていたのが素晴らしかったです。


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12巻177頁1コマ目


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同2コマ目

敢えて画角を合わせず、後ろの桜が広く入るように。
桜があったからここにしたのか、会場から逆算してここにしたのか……
何れにせよ、この二人の関係が修復された瞬間の背景に、この鮮やかな花が咲いているというのは、とてもとても美しい構図であると思います。


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12巻180頁3コマ目

折口先生と別れて、帰るハナ。
「海鮮料理」の旗もそのまま存在していました。


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同2コマ目

ちなみに、二人の入った喫茶店までは特定できませんでした。
が、ここのコマをどこから撮ったのかと考えると、もう少し近い場所からの角度であることが解りました。
よって、これを撮影できる階段の向かいにある喫茶店かな? という予測が立ちました。
ただ、店内に飾ってある絵の位置が違いそうだったのと、植物の位置、板張りの内装の近似具合、何より混んでいて目的の席に入れそうにない(笑)という状況から諦めてしまいましたが、確かめてみる価値はあるかと思います。


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12巻181頁1コマ目

「隠れ野」の提灯も、「おすすめメニュー」の文字もそのまま。
これくらい再現度が高いと、見付けた時の感動度合が高いです。
隠れ野の店員さんにキャッチされそうでしたが(笑)


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12巻183頁

2番目に押さえたかった場所。
ここは見たまんま「天下一品」が描かれていたので、「赤坂 天下一品」でGoogle先生にお願いした所、一発で出て来ました。


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12巻184頁1コマ目


{76CF1F82-E2FC-4B56-AD96-4225B3A5254D:01}
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12巻184頁3コマ目


通して読んだ時、1巻最初に教育実習にやって来た折口先生も、一筋縄の人生ではなかったことが解ります。
見知らぬ女の子に朗読を教えている場合ではなかった、とも言えます。
しかし、その時蒔いた種が、名前の通り花を咲かせて戻って来たという構成がとても美しくて好きです。

あの時、折口先生が言ってくれて、その後のハナの大きな支えとなった言葉。

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赤ちゃんの泣き声はどうして皆によく届くのか?
それは、「伝えたい気持ちが強いから」。

そして、学芸会でなけなしの勇気を振り絞って、自分の気持ちを伝える朗読を行ったハナ。

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それは、ハナの中でとても大きな成功体験として刻まれ、生きて行く上での最後の自信ともなりました。

その時の言葉を、花から返される折口先生。


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きっと伝わる。
伝えたい気持ちがあれば。

この循環はとてもとても美しいです。
教える、ということは教える方も学ばされることに他ならないのですね。

そして同時に、どこまでも悲しいです。
何故なら、「伝わる」と伝えているハナの本当の想いは伝わることがないのだから。
それでも、笑顔で折口先生を見送るハナに、その成長に、折口先生から貰った花を心に持ち咲かせ続けて生きるハナに、何とも言えず涙が込み上げて来ます。

とても可愛らしい絵柄ですが、語られるテーマは決して優しいことばかりではありません。
生きる苦しさ、辛さ、悲しさ、どうしようもなさ……
全てを包括し、打ち拉がれ挫折もあった上で、自分が自分であろうと、自分を好きであろうと、強く生きようとする人々が描かれる『花もて語れ』という物語を、私はこよなく愛しています。

花もて語れ11-12巻

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昨日の舞台探訪記事と併せてお楽しみ下さい。


花もて語れ 11巻12巻
漫画:片山ユキヲ 朗読協力・朗読原案:東百道
小学館ビッグスピリッツコミックスペシャル

ありのままの自分でいられる人は強い人。
裸の自分になれる人は強い人。
だから私は強くなる。
堕ちれるぐらいに強くなる。
私になれる人は私だけだから。
私を背負える人は世界中で私だけだから。
私を生きられるのは私だけだから。

既巻紹介 
1巻80点 2巻85点 3巻85点 4巻85点 5巻85点 6巻85点 7巻85点 8巻90点 9巻85点 10巻85点

「朗読」で迫る表現の極致『花もて語れ』 - マンガHONZ

http://honz.jp/articles/-/40143

マンガHONZで書いた上記記事を始め、今までも『花もて語れ』については例外的なほどに沢山語って来ました。
それは、余りにも素晴らしい作品故に一人でも多くの方に手に取って欲しいと願い続けているが為の、自然な行動の発露です。

昨日、「このマンガがすばら!兎来栄寿選2014上半期」という記事を書きましたが、今年の上半期に読んだ全ての漫画の中で一番好きな漫画は『花もて語れ』です。
もし、どんな作品か知らないという方がこれを読んでおりましたら、まずは上の記事をご覧下さい。

最近、イケダハヤトさんのブログでも紹介され、そちらがバズったことで若干知名度も上がった気がします。
併せてお読み頂くと良いかと。

上記の特選オススメ記事の中で、「『花もて語れ』のすばらしさは人間のすばらしさ!」と語りましたが、この11、12巻で描かれるものも、正しくその一様体となっています。

最終章、朗読コンクール編。
朗読の天才である主人公ハナが、恩師の元同級生であり自分をも凌ぐ恐るべき能力を持つ天才・五十土と相見える。
ハナは坂口安吾の『風博士』を。
五十土は夢野久作の『瓶詰地獄』を。
共に書簡体で書かれた特殊な作品。
そこにそれぞれが込める想いの丈。
全てをぶつけるハナの朗読に対し、五十土の見せたそれは――

朗読の、高度なテクニックと作品の解釈とを通して綴られる想いの質量が、そのまま『花もて語れ』の凄さであり常に圧倒されます。

幸い、瓶詰地獄は青空文庫で無料で読める素晴らしい時代ですので、本編の前に読んでおくのも一興かもしれません。

この最終編である朗読コンクール編、ハナと五十土さんはどんな朗読をするのだろう。
ハナは五十土さんに勝つことができるのだろうか。
果たして、折口先生、きなり先生、五十土さんの三人の過去にあった事の真相とは何なのだろう。
様々な想いで、見守っていました。

そして、そこで見せてくれた光景は、あまりにも豊穣で、本質的で、人間的で……
人間が持つものは、美しい感情ばかりではありません。
けれど、だからこそ逆説的に美しい。
その輝きと、狂おしさに自然に涙が伝う内容でした。

それを言うとネタバレになるので言えないのですが、今作はとあるジャンルが好きな人にも激しくお薦めしたい作品となりました。

勿論、今まで通りあらゆる方に強くオススメしたいです。
スピリッツで読んでいる方も、単行本で通して読むとまた違った感想を抱くかもしれません。


90点。

以下はネタバレでの感想と、舞台となった場所への探訪、いわゆる聖地巡礼とも呼ばれる行為の記録です。
未読の方はご注意下さいませ。























































































11巻の感想を置いていたのは、書くタイミングを逃した感があったのもありますが、何より12巻とひとつなぎになっているからです。
11巻のハナの「風博士」があって、12巻の五十土さんの「瓶詰地獄」がある。
なればこそ、この二冊を併せて語ることに意味があるのです。

それは、丁度11巻の表紙・裏表紙にも表れています。
表は、ドレスを纏って華やかに凛とした表情で朗読を行うハナの姿。
12巻までのエピソードを読んでから改めて見ると、それは裏表紙でその様子を眺める五十土さんから羨望を交えて見えた光景なのかもしれません。
もし五十土さんが朗読を続けていたら辿り着いた姿。
しかし、叶わなかった姿。
それ故、影を落として隅からその姿を窺っている。
そんな風に読み取れる気がしました。
普通、自分からは自分の姿は見られませんが、そこはステップ6の名手である五十土さんですから。

ただ、ずっと読んできた方はご存知の通り、ハナがこうして舞台で輝けるようになるまでには、様々な紆余曲折がありました。
人と関わりあうことが苦手で、空想の世界に逃げて来たハナ。
舞台に立つなんてもっての外でした。
しかし、彼女もまた強い意志で自分を律し、伝えたいことを伝えるため、何より自分が自分であるためにステージに上がるようになったのです。
恐らく、朗読を通してそのことは五十土さんにも伝わったことでしょう。
単なる憧憬だけでなく、かつての自分の姿に重ねた複雑な想いもあったでしょう。
それ故に、自分に存在した可能性の一つであるハナの姿に、自分の持つ物全てを託したいと考えたとしても、それは自然であるように思えます。

「風博士」編だけ読んで、もしかしたらピンと来なかった方もいるかもしれません。
特に、連載で読んでいると細切れでシュールな部分が強く印象に残って、取り留めのない印象を受けるのも無理はないとも思います。
ただ、通して読めば、とりわけ12巻まで通して読めば、その意味する所がよく理解できるはずです。
ハナの「風博士」は、他でもない、「瓶詰地獄」を読む五十土さんに大いなる勇気を与える朗読でした。


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幾度となく描かれる、無言の五十土さん。
これは、ライバルの姿を見据えているのかな、と最初に読んだ時には思っていました。
しかし、事実は違いました。

舞台に立つ最後の勇気を持てないでいた五十土さんは、ハナのこの「風博士」の朗読に大いなる力を貰っていたのです。

風博士と蛸博士の対立を描いたこの物語が暗喩するのは、現実と空想の鬩ぎ合いの中で生きる人の姿。
しかし、その対立項の中で煩悶する人間の姿を肯定し、人がそのありのままでいることを肯定するのが坂口安吾である、とハナは『堕落論』や『FARCEについて』なども併せて総合的に読み解きます。
だからこそ「風博士」は、自らという人間を曝け出さねば朗読することが適わない題材。


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自分の中にない気持ちは朗読で表現できない。
逆に、朗読できているハナの中には、自分の中に表現すべき感情がある。
その原体験は恐れ。
幼少期から他人に嫌われることを恐れ、迷惑になることを恐れた自分。
ただ、そうして自分を消そうとしたとしても、決して消すことはできない。
両親を喪った時に、涙も流さず自分を殺すことで保とうとしていたハナは、そのことを伯母に確かに教わっていた。


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何をしていても、自分は自分であり続ける。
いや、むしろ何をしたかによって自分自身が出来て行く。

傷つきたくなくても傷ついて。
傷つけたくなくても傷つけて。
傷つけられたくなくても傷つけられて。
そんな様々な矛盾も、ありのままに受け入れて生きる本当の強さ。

どんなに自分が嫌いになっても、
最後の最後は好きでいる。


何もできない、どうしようもない自分を嫌いに成り果てていたハナ。
そんな彼女が至った、この気高く美しい覚悟。
喪い続けた人生で、これからまた失うことも含めて全て受け入れよう、という強い覚悟。
強く感銘を受けずにはいられません。


自らを曝け出すことに途轍もなく抵抗のあった五十土さんは、きなり先生の弟子でもあるこのハナの崇高な毅然とした姿を目の当たりにしたからこそ、自身の朗読に繋げられたのですね。
何とも美しい数奇な巡り合わせ、繋がりです。

そして、五十土さんが読むのは「瓶詰地獄」。
まさかの夢野久作作品に、大好きな私はテンションが上がりました。
このまま終わらないで、『ドグラ・マグラ』も扱って欲しいくらいです(長さ的に無茶……ですがチャカポコチャカポコを読むハナ達を見てみたい)。

一体全体どんな朗読になるのか……と思っていたら、想像の遥か斜め上方に行ってしまったのですが。


12巻の表紙だけを見れば、南の島でのバカンスのように、明るく陽気で優雅。
しかし、皆が笑顔でいるそこは極彩色の地獄。
否、どんな楽園も、そこにいる人の気持ち次第で地獄に変わってしまうものなのでしょう。
裏表紙を見れば、そこは確かに楽園であった時代があるのですから。


「瓶詰地獄」冒頭の朗読において、読み手が自分も聞き手となるステップ6には、更に二種類あることが語られます。
一つは玄人的な聞き手として、もう一つは素人のお客さんとして。
ハナは前者しかできないものの、五十土さんは「あなたもここに来られる」と、自らの朗読で導いて行きます。

「手元に本はないけど、心の中に本はある!」という描写だけでも、熱いものが込み上げて来てしまいます。
そしてその後、五十土さんがハナに合わせた読み方にあえて変えることによってシンクロし、ハナがお客さんの気持ちを解る所まで引き上げられる所も堪りません。
そして、そこから始まる「懺悔」も。
作品の内容に重ねられて、五十土さんの過去が語られていきます。

小さい頃から人付き合いの苦手だった五十土さんにとって、朗読の舞台は楽園。
それは五十土さんにとっての瓶詰の楽園。
普通の世界で生きることが辛いハナにとっても、共有できる楽園。
その楽園を肯定しつつも、人と向かい合うことを怖がるハナを「それができなきゃ大人じゃないし、それはとても大事なこと」諌める五十土さんの言葉が重いです。
言葉で人をやり過ごすだけでなく、覚悟を持って向き合うということの大切さ。
五十土さんから教わったそのことが、今巻最後の展開にも大きく影響を与えているのだと思います。

そして、五十土さんにとっての楽園は朗読の世界だけではありませんでした。
それを通じて知り合った折口先生ときなり先生との、三人で過ごす時間。
それこそが、五十土さんにとって真の楽園。
しかし、それはたった一つの想いによって地獄へと変質してしまうのでした。

その想いとは、きなり先生への恋慕。
この展開には、大きな驚きと共に感嘆と畏敬が混じりました。
「瓶詰地獄」の禁忌と苦悩を、そういう形で繋げてくるのか、と。

「瓶詰地獄」は、一読しただけだと様々な解釈が可能で、その議論も尽きぬ作品。
手紙の書かれた順番は。それぞれの手紙は誰が書いたものなのか。書かれていることは現実なのか幻覚なのか。
『花もて語れ』では、それらをどう解釈するか、という所も見所の一つでした。
が、今回は「瓶詰地獄」という作品や夢野久作先生に関しての斬新な知見などはありませんでした。
一通目の手紙を書いている描写も兄であることが自明の物として描かれていましたし、青空から夕空になりまた青空へと変わったシーンへの特別な言及もありませんでした。
このエピソードでは、作品の掘り下げではなく、作品を通じた五十土さんの掘り下げに焦点が当てられておりました。
今までは、作品の解釈の方が前に立って来ていて、そこに付随するキャラクターの想いという形がメインでしたので、解釈し甲斐のある「瓶詰地獄」でもそうなるかと思いきや……
この型破りもクライマックスならではですね。

五十土さんの、きなり先生との出会い。
そこで、同じく本が好きで引っ込み思案で純粋無垢なきなり先生に、言葉を絶して魂から惹かれたこと。
しかし、きなり先生は折口先生に惹かれており、本の貸し借りをしては感想文を付けているなどしていたのでした。
そこでの、彼女の叶わぬ想いへの苦悩はいかばかりだったか。

私は百合物も大好きですが、『花もて語れ』が始まった時はそんな要素が出て来るとは微塵も思っていませんでした。
そして、ハナと満里子さんが同棲を始めた時も驚きましたが、その比でない位に濃厚なこんな展開が待ち受けているとは。
人間が持つ最も純粋で美しい想いが、どうして対象が違うだけで禁忌とされてしまうのか。
なぜその美しい筈の想いは最も醜い想いと一繋がりになっており、忌むべき状況を生みだしてしまうのか。
この世に正解などある訳もなく、自分が死んでしまえば皆幸せになれるのに、なれたのに、と深く思い悩む五十土さん。
この物語が、最高純度の百合物語として立ち現れたその瞬間、大いなる感動と戦慄が同居していました。

「瓶詰地獄」は、普通に読めば兄と妹の近親相姦の禁忌です。
しかし、アヤコを洗礼名とし、二人は兄弟であるとする説もあります。
五十土さん自身は「同性愛は近親相姦よりは」と言ってもいますが、もしかしたらそういう含意もあったのかもしれません。

折口先生やきなり先生は、五十土さんのその想いに全く気付いていなかったように描かれます。
あれだけの時間を過ごした二人であれば、少しくらいの可能性は考慮しても良かったのでは、とも思います。
ただ、それは逆に五十土さんがそれだけ二人の前でその想いを知られることのないよう、強く強く秘めて隠して押し殺していたのだろうな、と。

「想いを伝える」ことは一つのこの作品のテーマとなっていますが、伝えてもどうしようもない、相手を傷付けるだけの想いを抱いてしまった場合はどうすれば良いのか。
そこに絶対の答はありませんが、少なくともきなり先生はそんな五十土さんの真意を理解しても、拒絶することはありませんでした。
朗読後のシーンで、涙を流して「そこを通して」と立ち上がる姿、イっちゃんなら遠い方の駅に行くと確信してそこで待ち続ける姿、名前を呼び掛けられた瞬間振り返る前に涙を流す姿、友達に対する自分の愛を普段にはない激情で語る姿、そして全てを許して受け入れる姿……
そのどれもが、重い一撃一撃として胸を打って来て嗚咽が止まりませんでした。

三人で生きて来た時間だけが楽園で、後は閉塞した瓶の中の地獄のように孤独の中で生きて来て、これからもそうする予定であったろう五十土さんは、懺悔の朗読を行うというたった一つ振り絞った勇気によって、許される機会を得ることとなりました。
たった少しの時間、ほんの僅かな言葉だけで、人は元の立ち位置を取り戻せることもある。
けれど、それを様々な理由から怠ってしまう生き物でもある。
最初、人外のラスボスのように見えた五十土さんは、終わってみればあまりに人間的な存在でした。
恐れを振り払って一握りの勇気で懺悔を果たした五十土さんに訪れた、瓶詰の外の新たなる楽園の到来を心から祝福したいです。

一方で、その五十土さんを勇気付け、逆に教わりもしたハナも、それまでではしなかったであろう行動に及びます。
折口先生を呼び止めて、喫茶店に誘う。
その事だけでも、それまでのハナではなかなか出来なかったろうな、と思います。
しかし、肝心なのはそこでハナが口にした言葉。
「どうして藤色先生をほったらかしにしてたんですか!?」
という、激しい口調での問い詰め。
それは、単なる糾弾ではなく、自身の初恋の相手への決別でもあります。
ハナの伝えたい想いもまた、ただ伝えることに躊躇いを生むもの。
きなり先生は五十土さんを受け入れましたが、折口先生はハナのその想いを受け入れることは恐らくないように思えます。

「きっと伝わる。伝えたい気持ちがあれば」と語るハナの気持ちは伝わらない。
伝えないために語る言葉も、ある。
そうして、潔く身を引くハナ。
あまりに悲しいですが、それもまた現実です。
したいようにするのではなく、自分がするべきだと思うようにしたハナ。
それは、きっと後悔を生まない選択でしょう。

そして、その感情も涙も、全てはまた人生における新たな経験となり、血肉となります。
しかしながら、世の中綺麗事だけでもありません。
初めて好きになった人を諦めねばならない。
痛いでしょう。苦しいでしょう。辛いでしょう。涙が止まらないでしょう。
読んでいる私も止まりませんでしたもの。
ですが、その想いを宿したからこそできるハナの朗読が、この先多くの人の心を揺さぶって行くことでしょう。

最後の、子供の頃と同じく別れを暗示させる「ありがとうございました」のシーン。
ただ、大きな違いは、泣きじゃくるのみだった子供の頃に対して、大人になったハナは最後は笑顔でいたこと。
それは正しく、ハナの成長の証その物であるように感じられます。
この一連の流れの中から滲み出る数多の想い、そこには人の持ち得る美しさの神髄を感じます。
折口先生を始め、多くの人から受け取ったもの、自らの内に生じたもの、全てを栄養として自分の中に咲いた花をもって、語っていく――


その、ハナの最後の朗読を、今は毎週敬虔な気持ちで見守っています。
こんなに深く感じ入り、心を揺さぶられる作品は私のマンガ人生の中でも貴重な体験です。
あと4話で終わってしまう『花もて語れ』。
あまりにも名残惜しいのですが……
最後まで、込められた熱い情感を一滴残らず堪能したいと思います。

咲-Saki- 第129局[契機] 感想

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前回記事:咲-Saki-第128局[涼風] 感想




最近の咲-Saki-的なトピックスというと、iOS標準のマップの超進化ですね。


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今まではこうだった地図。
目印にできる建物も限られて、実に頼りなかったのですが……


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こうなりました!

……進化し過ぎですよね!
ファミコンからPS4になった位の超進化です!

航空写真から3Dで地図が出せるようになりまして、それ自体はGoogleマップでも同様の機能がありますが、


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この地図、恐ろしいほど角度を付けながらヌルヌルと動かせるようになっています!
日比谷・有楽町周辺の聖地一覧もご覧の通りに一望できます。


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清澄の宿舎であるオリンピックセンターもこの通り。


これを手のひらサイズのデバイスで持ち歩けるんですから、凄い時代です……

ただ、残念ながらこのグリグリ動かせる立体地図はまだ都心部しかサポートされていません。
全国にまで広がったら、探訪もますます捗りますね。


そんな訳で、以下はネタバレ感想になります。
未読の方は気を付けて下さ……































































という訳で、咲-Saki-第129局[契機]。

そうかー、立先生はユニットバスに慣れてきたのかー。
やっぱり最近の巻末コメントからして、割と旅に出ている気がす……


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!?

ま、ま、ま、ま、ま、真屋由暉子さん!!!!

一枚の扉絵が齎す圧倒的興奮!!

こ、ここれはあぁぁあわ、つ、ついtにいに、う、う、う、ううすs有珠山回が来てしまったのかかかかか!!!

一応説明しておきますと、私は完全なる阿知賀応援団長であり、阿知賀女子の幸せと吉野の平穏のためにこの身を捧げています。
ただ、阿知賀が出て来る前に応援していたのは日本人の心の体現たる永水でした。
そして、その二校に次いで大応援しているのが、有珠山なのです。

その大きな要因となっているのが、巷でも「松実玄さんに似ている」と噂になった真屋由暉子さんその人でありました。
穏やかな物腰。
聖書を諳んじる知性。
豊かなおもち。
その全てがすばらであり、咲の全登場人物の中でもベスト10に入る程好きです。

そんな真屋由暉子さんが扉絵を飾っている!
一つお赤飯でも炊きたい気分です。

そして、気になるのはその場所。
以前も国際フォーラムの中で扉を飾ったことはありましたが、今度は車内。
一瞬、飛行機の可能性もあるかなとも思いましたが、アオリで機内でなく車内なので、電車なのでしょう。
きっと咲ファンにも多い鉄の方々が特定して下さることでしょう。

私では、スーパー北斗でもスーパー白鳥でもはやぶさでもアイリスでもなさそうだな、ということ位しか解りませんでした。
しかし、これで有珠山に行く人には帰りの足まで指定されるという、直近のシノハユと同じような展開に。
大変ですが、頑張って欲しいですね。

追記
寝台特急のカシオペアツインだそうです。
画像検索すると、見事にそのままな光景が!


さて、有珠山控え室に戻ってきた揺杏さん。
さっきまで泣いていたことは、部屋に入った時には感じさせず。
ただ、口調が思わず敬語になってしまっている辺り、心の弱りを感じさせます。

そしてそれを察してか否か、どうしようもない時はある、と意外と優しく対応する爽。
爽揺、大いにアリですよこれは。
その後ろで、実体験を持って同意する成香ちゃんかわいい。


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あとは私におまかせあれっ……と言いたい所ながら、流石に点差がありすぎる現実を受け止める面々。

2回戦、元々の2位校は八枡だったようです。
今までの情報を総合すると、強豪の東白楽が臨海に集中放火を浴びて最下位に沈む中、3位の有珠山が副将・大将で3万点を稼いで2位の八枡をまくった、と。

「3万点……たった3万点だと……!?」
と思わず某特戦隊の隊長のような反応を示してしまいました。

圧倒的エースというからには、一人で3万点とか5万点とか10万点とか余裕で稼いでいるものかと思いきや……
勿論、ダヴァンやネリーが強かったのかもしれない、描写されていない八枡や東白楽の副将・大将が強かったのかもしれない……
とはいえ、ですよ。
二人で平均+15000点はこれまでの期待感からするとかなり物足りない数字ではあります。
となると、1回戦で余程無双していた、とかでしょうか。

10万点差程度はビクともしない圧倒的怪物ぶりを期待していましたが、由暉子さんも爽も厳しいことを認識していますし、相手の面子的にもなかなか難しい状態になってしまっています。
副将はまだ絹ちゃんがいるとはいえ、大将戦は怪物揃いでしょうし、覚醒末原さんは未知数です。

が、ここは切り替えてお着替えタイム!
言動はオトコっぽいのに、裁縫が得意なようで女子力の高い揺杏さんお手製の改造制服に衣装チェンジ!


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このコマ、汎用性が高いですね。
LINEスタンプに欲しいレベル。
有珠山は、盤外でも楽しむことに全力を尽くしている感じが良いです。

由暉子さんのやわらかさを無駄な動きで堪能している爽さん、ちょっとそこを替わって頂けますか。
ここで披露される圧倒的なおもちには、玄さんも反応間違いなし。


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と、ここでとてもとても重要なモノローグが。
まだリーチが7回打てる………

由暉子さんの能力を暗示させる一節!
今までにも、色々と予想してきましたが、あの全国編最終話の描写からして虹=七色=7という数字が鍵になりそうだ、というのは考えていました。
すると、ここで7が!
しかし、想像していたどれとも違い、あと7回リーチを打てる、と。
このニュアンスからすると、何らかの回数制限がある能力。
そして、この大会で既にこの能力を使って活躍している模様。
ということは、元々は7ではなく違う数字であった説が濃厚です。
7つの大罪説とか色々と考えてみたのですけど。

7回の残されたリーチには一体どんな特別な効果が。
絶対和了できるリーチは、園城寺怜さんが実践済み。
一回当たりの和了点数は、この描写だとそんなに高くない様子。
となると、リーチすると他家が絶対和了出来なくなる、とか?
キリストの磔刑的なイメージもできますしね。


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そして!
遂に有珠山が舞台として登場!!

事前に探訪していた方も多い有珠山。
私もVRの世界で探訪していました(有珠山に行って参りました)。

そんな人々なら、見ただけで解るであろうこの景色。
右の山が有珠山で、左の山が昭和新山ですね。


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ストリートビューで洞爺湖南岸から臨むと、似たような景色が。
ここよりは若干更に南からの撮影っぽいですね。
立先生はしっかり有珠山にも行っていた……!
しかも、冠雪していない風景からすると夏場前後にいったと思われるのですが(北海道に行くなら夏が良いですしね)、それは去年以前なのか、あるいは割と最近だったりするのでしょうか。

下の学校想定らしき建物は実在するのでしょうか。
気になります。


そして、回想シーンではまさかの眼鏡っ子中学生由暉子さん登場!
必ずチームに一人は眼鏡っ子な咲。
阿知賀における宥姉のように、一見眼鏡っ子のいないチームでも、隠れ眼鏡っ子がいます。
有珠山は誓ちゃんあたりかな、と思ったら意外ッ!それは由暉子さんでした!

割と容姿的には高校デビューした感じでしょうか。
今はコンタクトにしてるんですかね。


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同級生に頼まれてプリントを運ばされる由暉子さん……
って、この量は死ねる!
実際、紙束を運搬した方なら解ると思いますけど、この半分の量でも女子中学生には堪えますよ!
おもちも悲鳴を上げている……!
ちょっと代わりに運んであげてフラグを建設したい。

それにしても、黒セーラーの良さについて考察を巡らしていたらこうして由暉子さんが黒セーラーで出て来るとは……
イマジナリーリアライズ能力が発現したかと思いました。

そんなことはどうでも良くて、大事なのは現在の有珠山高校麻雀部の成り立ちが描かれていること……!
元々麻雀部であった現在の2、3年生と、由暉子さんはここで初めて出会います。
この、萌芽の瞬間というのはどんなチームのそれを観ていても良い物です。


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成香ちゃん優しい……。
由暉子さんの受け答えの抜けっぷりがまた素敵です。
のどっちといい、おもちクッションは万能ですね。

ここの2頁は、更新された立先生のHPで述べられていたように、トーンが間に合わず白くなっています。
この順番で仕上げをしていたのか、ということが解る貴重な資料でもありますね。

ちなみに、一つだけ回答されている質問は例の阿知賀編8話冒頭のカラーページ。
はい、あの至高の松実姉妹が表紙の号のガンガン掲載時のみのカラーページですね!
あの由暉子さんも映っているページですね。
個人戦のイメージということで、個人戦で活躍する由暉子さんもとても楽しみです。

そして、爽に強引に連れだされる由暉子さん。
爽のイイヤツ度がどんどん上がって行く気がします。


しかし、有珠山高校麻雀部は、麻雀をしていなかった!

7並べをして遊ぶ5人。
盤上の全てのルートをことごとく止めている誓子ちゃん。
割と性格が出ますよね(笑)
意外と強かな誓ちゃんが浮き彫りになりました。
ただ、この7並べも能力の暗喩だったりする可能性もありそうな。

アナログゲーム全般を遊ぶ部活、というのは大層惹かれますね。
私もそんな放課後さいころクラブに入りたい。
これで、有珠山メンバーでマイナーボードゲームで遊ぶ二次創作が捗りますね。


そして、麻雀をやろうにも麻雀牌がない、というまさかの展開。
ひょっとしたら、一番麻雀歴が短いチームなのかもしれません。


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昔の先輩が売ってしまったらしいですが、その先輩はリチャードソンという名前で売った先は周藤という男が経営する質屋だったりしませんよね?
皆で紙を切って手製の牌で麻雀始めたりしませんよね?
とか考えてしまう不治の病シノハユ病。

それにしても、お嬢様系ミッションスクールの割に大分アレな性向の人が多いですね。
それとも、麻雀部だけが特別なんでしょうか。

そして、驚くべきことに次号休載ではなく、普通に続くことになっています!
トーンが間に合わなかったということで、半ば諦めていたのですが……
次号になったら休載というのも半分は覚悟ですが……
まだ有珠山回想がそのまま続きそうですので、有珠山ファンとしてはとてもとても楽しみです!

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2014春アニメ雑感

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夏アニメも始まっていますが、まだ観終えていない作品もあるので随時追加して行きます。



ピンポン
もう、今年はこれを超えるアニメを観られないかもしれないし、観られなくてもいいという出来でした。
時代に合わせた改変から、セリフや展開の改変まで原作から大きく変わった部分もありましたが、その悉くに原作へのリスペクトを感じました。
あのセリフはそのままにして欲しかったな、という部分もありはしましたが、それ以上にこの追加は本当に素敵だなと思う箇所もあり。
そして、何より松本大洋先生の絵を、週刊でよくぞここまで上手く動画として作り上げたな、と。
物語自体の面白さが元々素晴らしいこともありますが、特に終盤の展開は毎回滾らずにはいられませんでした。
「少し泣く」とかこっちも泣かずにはいられないッ!
人死になど無くとも、想いの熱さと篤さに泣ける稀少な物語です。


80点の壁


シドニアの騎士
アニメでもあそこを越えてから、一気に面白くなりましたね。
「マンガより解りやすい」という声も聞きましたが、実際映像になることで、戦闘やシドニアでの生活の様子などが映えた作品でした。
これを切っ掛けに『BLAME』や『バイオメガ』ももっと読まれたり映像化されたりしたら楽しいな、と。
「アルペジオ」といい、3Dのキャラ描画がどんどん自然になって女の子も可愛くなっているので凄いと思います。
これだけ技術が発達してSFも上手く描かれるようになり、売上も伸びる時代なので、是非『イレブンソウル』も……!


ノーゲーム・ノーライフ
ゲームを題材にした作品ということで、1話から面白かったので期待して観ていました。
そして、終始楽しく観られました。
頭脳戦的な駆け引きの要素の薄いゲームもありましたが、会話や交渉での駆け引きも描かれつつ、しっかりと伏線を張りながら大きく展開を動かしていくダイナミズムが心地良かったです。
非常にスケールの大きなしりとりバトルは特に好きでした。
中盤のED改変の演出なども鳥肌が立ちました。
原作にも触れたくなりましたが、ストックは余りないとか……。
先になりそうですが、二期にも期待したいですね。


弱虫ペダル
インターハイ編ですから、当然面白いですよね。
29話は個人的永久保存回です。
アブの目線に笑い、新開さんの格好良さにシビれ、そのCパートに悶え、真波くんは天使。
詰まる所、ハコ学最高という結論に。
原作派としては、毎回のCパートが一番楽しみです。
4クール目も楽しみですね。


一週間フレンズ。
カットされた部分もありましたが、今期のアニメ化ダークホースとも云われる丁寧な作りで、原作の売上伸び率は最も高かった所も多かったらしく、素晴らしき哉。
「奏」は、今期の主題歌の中でもトップクラスに好きです。
最終回のEDで、長尺バージョンが映像と合わさった時の破壊力が素晴らしいですね。
聖蹟桜ヶ丘に行った時に喜べる理由を増やしてくれた作品です。


ジョジョの奇妙な冒険
一部・二部が6巻で12話という配分なので、16巻ある三部は3クール位やってくれればいいな、と思っていたら!意外ッ!それは4クール!
「カットはしません」という熱いスタッフの宣言!僕は敬意を表するっ!
毎週、動いている承太郎たちが普通に観られるというのは、何とも幸せなことです。
タバコが黒く塗りつぶされてしまう時代は残念ですが、レロレロレロレロや豚トイレを動画で観られる楽しさ、プライスレス!
そして、相変わらず、CMのクオリティが高すぎて、数年後になってしまうでしょうが五部もアニメで観たくて堪りませんッ!!


75点の壁


selector infected WIXOSS
一部では一番盛り上がっていた感もある、今期の期待のオリジナルアニメ。
割とまどマギ的なお話ですが、岡田麿里さんらしいテイストの物語。
アキラッキー始め刺々しいキャラ達も良かったですし、個人的に明度の低い背景美術が好みでした。
ウィクロスも盛り上がったようで、私もTCG好きとしては触ってみたくなりました。
ビッグガンガンでスピンオフ連載が始まり、スマホでゲームも出て、二期もあるということで今後の展開も楽しみです。


魔法科高校の劣等生
アニメ版はいくらか説明を簡略されているのだと思いますが、端々から原作の世界設定がしっかりしていることを窺わせます。
九校戦の、架空競技がしっかり面白いと感じさせられるのは良いです。
小野監督らしい、魔法のエフェクトを観ると思わずニヤリとしてしまいます。
美雪さんは今期の黒髪ロングストレートキャラとして筆頭のすばらさなのですが、最新話で巫女服を着ることによって外見も声も姫様と化したのには笑いました。


エスカ&ロジーのアトリエ
最後まで純正ファンタジーの世界観をまったりと楽しませてくれました。
未踏遺跡に行く時のワクワク感たるや!
EDがとても好きでしたね。
久々にアトリエシリーズをプレイしたくなります。


悪魔のリドル
突っ込みどころは挙げたらキリがありません。
しかし、キャラ物としては1話で得た印象通り、今期でも最高に好きでした。
特に伊介様大好き。
高河ゆん先生テイスト溢れる、百合百合しさが素晴らしかったです。


ラブライブ
こちらも、正直物語はあってないような物です。
ラブライブである意味、スクールアイドルである意味のあるシナリオにも出来たろうにとは思います。
しかし、μ'sの皆がそこでμ'sであるだけで、この作品は完成されているのです。
ラスト3話はμ'sによって平和になる世界を感じました。
スノハレと、EDの海未ちゃんが羽をキャッチしてスマイルする所だけで戦えます。
歴代最高だったエヴァのVHSの売上記録を抜いたということで、大正義AKB商法というか今はコンテンツだけでなくそれに纏わる体験を売っていかねばならない時代なんだなと強く感じました。


神々の遊戯
こちらも、キャラ萌えさせてくれる女性向け作品としてのクオリティは高かったです。
最終回でちょっとビックリ。
主人公がとても良い子なのもポイントでしたね。
ハデスとロキが好きです。



70点の壁


ご注文はうさぎですか?
うさぎ好きということで、ずっと見守っていました。
深い感慨などはないですが、ただただずっと可愛かったです。
ティッピーぬいぐるみとか欲しいですね。
「心がぴょんぴょんする」という表現は意外と汎用性が高く、今期の発明の一つであると思います。
飛ばせないOP。


僕らはみんな河合荘
原作の良さを綺麗でテンポの良い作画でしっかり表現していたと思います。
書生カフェの件など良かったですね。
SD麻弓さんの書き文字なども。


65点の壁


龍ヶ嬢七々々の埋蔵金
この設定なら、もっと面白くできただろうなぁというのが率直な感想です。
キャラクターは割と良かっただけに勿体無い感じが。


彼女がフラグをおられたら
OPの謎の中毒性の高さ。
これを歌っている悠木碧さんが、まどかだったり穏乃だったりするのは本当に凄いな、と。
本編は、1話で観た時にはなかったシリアスな面もあって思ったよりは楽しめました。
清々しいほどのハーレムっぷりで昨今のトレンドの王道を行きつつ、フラグの可視化という根幹となる設定をしっかりと活かした物語だったのは好感です。


健全ロボ ダイミダラー
最初から最後まで、実に健全な物語でした。
健全であることは人として大切なこと。
それを教えてくれる作品です。
特に、アイキャッチの健全さは際立っていましたね。
やや後半は展開の冗長さも気になりましたが、この作品で大事なのは健全か否か、なので。
余談ですが、秋葉原の街頭で堂々とこれを流していた店は英断だと思いました。


キャプテンアース
どうも、要素が散逸している印象です。
外枠はしっかり作られていながら漫然としている感じなので、今後の盛り返しに期待します。



20点の壁

極黒のブリュンヒルデ
中盤までは良かったです。
『エルフェンリート』への繋がりを感じさせる演出などには膝を打ちました。
しかし、OPが変わってからの原作スポイルぶりが……
それまでと一気にペースが変わってカットが増えてしまったのもそうですし……
特に最終回があまりに酷過ぎて、終わった後滅多に見舞われない感情に襲われました。
どうしてあんなことになってしまったのでしょうか。
2クールでじっくりやってくれていれば、何も問題なかったように思います……。
中盤まではアニメでも良いです。
その後は、お願いですから原作を読んで下さい、アニメで『極黒』を見切らないで下さい、と言いたいです。




聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY

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聖闘士星矢をこよなく愛する者として、新たな時代の星矢を見届けに行きました。


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秋葉原での黄金聖衣が飾られていたイベントでPVを観て以来、不安と期待が入り混じっていました。

実際、この目で観て来て。


率直に言って、星矢ファン向けの映画でした。
ただ、原作ファンでも許容できる人とできない人がいる作品でしょう。
私は許容できる方だったので、楽しめました。

この映画は原作の十二宮編完結(1~13巻)までを二時間に纏めた作品であり、必然的にカットされている部分、語られていない部分が多いです。
原作と大きくキャラが変じてしまっている人物もいます。
その改変を楽しめるか、有り得ないと感じるかは、どう作品やキャラクターを愛しているかによって変わるでしょう。

「これを期に星矢に入ってみようかな」という方もいます。
ただ、この映画から入るのはオススメしません。
『冥王神話』『Ω』『セインティア翔』など様々な派生作品がありますが、『星矢』の7割は原作13巻までを読んでおけば理解できますので、先ずはそこから入ることをオススメします。
13巻まで読んだ上で映画を観れば、その差を楽しめると思います。


ネタバレ無しで言える所としては……

映像は本当に美麗でした。
特に、十二宮は見惚れてしまう美しさ。
そして、聖闘士星矢ならではの派手な必殺技演出!
これは一見の価値アリだと思います。

EDはYOSHIKIさんということで、X感溢れるバラードで良かったです。

そんな所でしょうか。

全体的な評価は、星矢既読なら70点、未読なら50点という感じですね。
何も知らないでこの作品単体だけ見たら、ぶっ飛んでるように感じてしまうでしょう。



そんな所で、以下はネタバレ感想になります。、



































木戸翁達、そんな軽装でヒマラヤ登山とは熱い……
辰巳にいきなり出番があって思わず心の中で拍手。

アイオリアとアイオロス、何でヒゲ生やしてるんですね。
アイオリアに至っては何で唇ピアスでちょいワルオヤジ風になってるんですか(笑)

PVの段階で皆の容姿が今風になっているのは確認していましたが、意外とすんなりと受け入れられました。

沙織さん可愛い。
ちょっと松実玄さん感すらありました。
それだけに髪を切ったアイオリア許さじ。

が、瞬がちょっとチャラい!(笑)
そして、氷河が後々バンドエイドを頬に貼る所も含めて、折紙サイクロンっぽい!
さとうけいいち監督なので、わざとでしょうか。

聖衣の持ち運びがランドセルタイプから、Ωのクロストーン方式に。これも時代の変化か。
マスク状態はちょっとダサいですね……
防御的な意味では正しいのでしょけど。

執事が辰巳じゃなくなってる展開……と思ったら、お前が辰巳なのかい!(笑)
祝・増毛!

十二宮が完全にFF的な世界になっていて、お水を噴きそうに。
VPのヴァルハラのようでもあり、ここ普通に冒険したいな、と思う程。

十二宮もそれぞれの装いとなり、美麗でした。

いきなり白羊宮でクリスタルウォールは熱かったですね!

アルデバランの食べてたステーキは誰が焼いたんでしょうか……自分で焼いたのかな。
時間の関係で、星矢たちが理由もなく一瞬で強くなり過ぎですが、細かいことは良いですね。

トレミーのファントムアロー、数時間で死に至る、と地味に強化されてましたね。
白銀で唯一の登場で、しっかりスタッフロールに名前も。

しかし、あれだけ間近で偽アテナを見ていたなら、その小宇宙で偽物だと気付いても良かったのでは……とか言ったらダメですね。

双児宮完全スルーは噴きました。

巨蟹宮だけはイロモノでしたが(笑)
デスマスクは平田さんの演技も素晴らしく、良いキャラでしたね。
ノリノリ過ぎで笑いました。
幾つかのオリジナル台詞が良かったですが、紫龍の「龍神は決して弱者を甚振ることはしない」という件は良かったですね。

一輝の「かかって来いよ金メッキ」はPVで聴いてから一耳惚れしていましたが、実際聴いても良かったですね。
今回の兄さん、見せ場的な意味ではトレミーを倒した所位でしたけど……(涙)

ミロが浅野真澄さんボイスで女性的になっていたのは最大級のサプライズでした。
しかし、素顔を晒していたのであれは女性なのではなく男の娘だと思って良いと思うのですが!
真相や如何に。
スカーレットニードルはアンタレスまで撃って欲しかったですねぇ。

まあ、シュラはエクスカリバーという単語すら放っていなかった気もしますけど。

しかし、一番酷かったのは、間違いなくアフロディーテ。
まさか、サガにアナザーディメンションで瞬殺されて、バラの中で死ぬのみとは……
デスマスクがまだ物凄く優遇されていたんだな、と感じました。

ラスボスのサガはアテナの力を吸収して宇宙の新たな創造主になることを目論んでいましたが、形態変化も含めて実にRPGのラスボス感があって笑えましたね。

他の青銅、折角回復してもらったのにぼっ立ち過ぎで。

黄金達の共闘というシチュエーションは燃えますが、それが謎の石像とだったのが少し残念。

サンクチュアリ付近に住んでる市民は大迷惑でしたね。

スタッフロール明けの茶番劇、紫龍はそこでも聖衣着っぱなしなのかと!(笑)
まあ、アイオリアの襲撃から考えれば一番聖闘士としては正しいのかもしれませんが。
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