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Channel: マンガソムリエ兎来栄寿のブログ 先刻の箚記(さっきのさっき)
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インターステラー 感想

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諸君。
私は「メメント」が好きだ。
私は「ダークナイト」が好きだ。
私は「インセプション」が好きだ。
数々の名作を送り出して来たクリストファー・ノーラン監督が大好きだ。

そのノーラン監督の最新作!
もうそれだけで万難を排して観ざるを得ないですが……

更に今回は宇宙を感じさせる壮大なSF作品!
それはもう、鬼に戦術核!!
範馬勇次郎にドーピングコンソメスープ!!!
観ずには人生を終えられないッ!!!!


と、そんなテンションになる位、近年では最高の期待感で観に行ったのですが……
見事にこの「インターステラー」、その期待に見事に応えてくれました。

170分という長時間の映画。
吉野山で暮らすようになって最寄りの上映館への往復にはそれ以上の時間を要するようになりましたが、その価値も十分にあったというものです。
日々の蓄積した疲れもあり、途中で寝てしまわないか心配でしたが……
全く眠気など感じる遑なき、とても幸せな170分でした。

SO3でタイムゲートに突入する前のような壮大な興奮、科学AVGのようなインテリジェンス溢れるタームや設定、サスペンス性の高さは堪りませんでした。
宇宙での静寂の演出は「2001年宇宙の旅」や「ゼロ・グラビティ」を思い出す巧さ。

ノーラン監督作品を立体で表現するとしたら、その構造は確実に数学的な造形美を有していることでしょう。

最後のスタッフロール時、格調高い静謐と共に大いなる宇宙と世界への観想を喚起するBGM。
それを聴きながら浸る余韻の、何と心地良かったことか。

何度でも観たいと思わせてくれる、素晴らしい作品でした。
そして、個人的にはとてもモチベイティブな映画でした。

「インセプション」での「夢」に続いて、「宇宙」や「事象の地平線の向こう側」を見事に映像化してみせたノーラン監督。
次は果たして何を見せてくれるのか、楽しみでなりませんね。


穏やかな夜に身を任せるな
老いても怒りを燃やせ、終わりゆく日に
怒れ、怒れ、消えゆく光に

この、作中で度々引用される印象的なトマスの詩に込められた想いと、物語を重ね合わせた時に見える図像。
人間存在の限界と可能性の双方がそこにはあり、醜くもあり美しくもある人間そのものの姿がこの宇宙の中で明滅しています。

SFやノーラン監督好きには勿論、そうでない人でも人間ドラマとして解りやすいフックがあるので、少しでも気になっていれば是非オススメです。


85点。


大スクリーンで観て良かったですが、可能ならこれも「ゼロ・グラビティ」のようにIMAXで体験してみたかったですね。


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