
はじめましてのシルヴァンドル
倉橋ユウス
ヤングジャンプコミックスアオハル
めーあいへぷゆー?
アオハルで試読できます。
諸君、私は倉橋ユウス先生が好きだ。
倉橋ユウス先生が好きだ。
倉橋ユウス先生が好きだ。
『恋愛遊星』(紹介記事)が好きだ。
『星のうえでめぐる』(紹介記事)が好きだ。
そして、この最新作『はじめましてのシルヴァンドル』も大好きだ!
『恋愛遊星』の記事でも少し触れましたけれど、最初の感触もさることながら、最後まで読みきった時に更に評価が増しました。
SF好きなら倉橋ユウス先生は履修しておいて間違いないです。

主人公シルヴァンドルは、見た目はちょっと変わった幼女。
しかし、その実は宇宙を旅する商人。
地球にやって来たシルヴァンドルは、様々な人と出会い関係を持ち、商いを行っていく――
基本となる数ページの掌編が20弱と、数十ページの短編が2つを収録し、1巻完結となっています。
カケアミを連ねて描かれた写実的な背景で、床屋のサインポールやエスカレーターなどに無邪気なカルチャーショックを受ける様は、『よつばと!』を髣髴とさせる読み味があります。
「地球人は岩を食べるのか」と驚愕し、恐る恐る食べたシュークリームを口にした時の顔など大層可愛く、読んでいるこちらの顔もほころびます。
これだけ書くと「異文化ハートフルコミュニケーション物か」とも思われるかもしれません。
しかし、この『シルヴァンドル』はそれだけではありません。
安穏とした日常の中で、突如告げられる危機。
そして、端々で仄めかされる大きな背後の設定。
それらが意味するものは……
語りたくとも語れない部分がありますが、最後まで読んで下されば自ずと解ります。
とりあえず、私はこの作品を一つのSFとして愛しているということは確かです。
日常風景に地続きの未来感・異世界感を覚えさせるSF世界。
それらの世界を表現する絵は、女の子も生き生きと可愛く。
ところどころに現れるセンスを感じさせる言い回しも素敵で。
物語構成は常に練られていて巧み。
それらが一体となって、独自の魅力を醸成しているのが倉橋ユウス先生の作品です。
今後も、追い続けたと思います。
試し読みもありますが、試し読み以上の魅力が本編にはありますので、宜しければ是非。
75点。