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Channel: マンガソムリエ兎来栄寿のブログ 先刻の箚記(さっきのさっき)
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花もて語れ11-12巻 舞台探訪in赤坂

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以下は『花もて語れ』11、12巻の舞台となった場所への探訪、いわゆる聖地巡礼とも呼ばれる行動の記録です。

レビュー・感想記事とまとめようとしたら、語りすぎて容量オーバーになってしまったので(笑)分割します。

未読の方はご注意下さいませ。
















































































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11巻3頁1コマ目

この建物は赤坂コミュニティぷらざでした。
流石に中までは入れませんでしたが(笑)
ただ、もしステージに一般でも入れる機会があれば潜入するのもアリですね。

ちなみに、ストリートビューなどでこの付近を駆け巡ったものの、この建物を見つけることはできなかったのです。
道路上の立入禁止白線や、緑が上空からの目印になりそうでしたし、歩道橋が付近にありそうだというヒントもあったのですが……

では、どうやって見付けたかというと、


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12巻166頁2コマ目

このカット、ハナの後ろに交番があるように見えたので、赤坂付近の交番をピックアップして探してみました。
話の流れからすると、ハナがいるのは赤坂駅からは離れたどこかの駅の最寄り地点のはずだったので、赤坂見附駅を出てすぐにあるこの交番が一番有力候補だったのですが、果たしてビンゴでした。


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12巻166頁4コマ目

そして、付近の道路を見比べて、動線的にも自然なこちらの方へ向かってみました。
ちなみに、上記のハナの座っていた場所はキャッチのお兄さん方がたむろしており、こちらの道路に至っては非常な混雑で、これだけ人通りが少なくなるのを押さえるのにも30分近くの待機を要しました(笑)

そして、そこをそのまままっすぐ行くと


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12巻166頁5コマ目

見事に見覚えのある柱が!
思わず興奮してしまいました。
キャラクターの動線と矛盾しない形で舞台があるのは、とても素晴らしいですし嬉しい事です。
実際に歩いたことで、ハナは最寄り駅に飛び出しながら再び失意の下で会場に戻ったことが確認できましたし、その時の気持ちを実際にあるくことでよりリアルな想像力を持って捉えられます。


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12巻167頁1コマ目


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同3コマ目


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同4コマ目

歩いて行く上で、赤坂付近ではそんなに数がない歩道橋がこの道路にはあったのも、期待を込めて歩き続けられたポイントでした。
向かい側の石垣と緑も含め、期待が確信に変わって行く瞬間は舞台探訪の醍醐味ですね。


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同7コマ目

ここは俯瞰がきつく、手持ちでは限界がありました。
背伸びしてぷるぷるしながら撮っており、細かくアングルが合わせられていません。
脚立か肩車のサポートが欲しかったです(笑)


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12巻164頁2コマ目

一方、旧知の仲でありイっちゃんのことを理解しているきなり先生は、一つ離れた東赤坂駅で待ちます。
ちなみに、「東赤坂駅」という表示が描かれますが、実際は赤坂駅になります。


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12巻165頁4コマ目

その柱に、きなり先生を感じます。



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12巻169頁1コマ目

コンクールが終わり、日が落ちる6時半まで待ったものの、現れず帰ろうとしたきなり先生。
しかし、そこにかかる「きっちゃん…?」の声。



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同4コマ目

ここでね、振り向かずに声の主がイっちゃんであると確信して震え、涙と笑みが零れるきなり先生が堪りませんよ、本当に。


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12巻170-171頁見開き

今回、一番押さえておきたかったカット。
TBSや赤坂サカスなど主要スポットに行く際に私自身よく使う出口ですので、見た瞬間に感動しました。
ちなみに、人通りが極めて激しい所ですので、朝一で行くのが望ましいかと思いきや、そうすると後ろのお店が開いていないので、23時頃に行くのがベストかと。


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23:30まで営業している、東京くるりぃむパン。


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ちなみに、この冷やしくるりぃむパンは苺やチョコレートなど色々な味があり、美味しいのでオススメです。


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12巻176頁3コマ目

もうこの辺は読んでいた時は号泣な訳で。
撮影しながら泣きそうになる怪しい人でした。
後ろの桜の写真がまだそのまま残されていたのが素晴らしかったです。


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12巻177頁1コマ目


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同2コマ目

敢えて画角を合わせず、後ろの桜が広く入るように。
桜があったからここにしたのか、会場から逆算してここにしたのか……
何れにせよ、この二人の関係が修復された瞬間の背景に、この鮮やかな花が咲いているというのは、とてもとても美しい構図であると思います。


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12巻180頁3コマ目

折口先生と別れて、帰るハナ。
「海鮮料理」の旗もそのまま存在していました。


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同2コマ目

ちなみに、二人の入った喫茶店までは特定できませんでした。
が、ここのコマをどこから撮ったのかと考えると、もう少し近い場所からの角度であることが解りました。
よって、これを撮影できる階段の向かいにある喫茶店かな? という予測が立ちました。
ただ、店内に飾ってある絵の位置が違いそうだったのと、植物の位置、板張りの内装の近似具合、何より混んでいて目的の席に入れそうにない(笑)という状況から諦めてしまいましたが、確かめてみる価値はあるかと思います。


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12巻181頁1コマ目

「隠れ野」の提灯も、「おすすめメニュー」の文字もそのまま。
これくらい再現度が高いと、見付けた時の感動度合が高いです。
隠れ野の店員さんにキャッチされそうでしたが(笑)


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12巻183頁

2番目に押さえたかった場所。
ここは見たまんま「天下一品」が描かれていたので、「赤坂 天下一品」でGoogle先生にお願いした所、一発で出て来ました。


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12巻184頁1コマ目


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12巻184頁3コマ目


通して読んだ時、1巻最初に教育実習にやって来た折口先生も、一筋縄の人生ではなかったことが解ります。
見知らぬ女の子に朗読を教えている場合ではなかった、とも言えます。
しかし、その時蒔いた種が、名前の通り花を咲かせて戻って来たという構成がとても美しくて好きです。

あの時、折口先生が言ってくれて、その後のハナの大きな支えとなった言葉。

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赤ちゃんの泣き声はどうして皆によく届くのか?
それは、「伝えたい気持ちが強いから」。

そして、学芸会でなけなしの勇気を振り絞って、自分の気持ちを伝える朗読を行ったハナ。

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それは、ハナの中でとても大きな成功体験として刻まれ、生きて行く上での最後の自信ともなりました。

その時の言葉を、花から返される折口先生。


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きっと伝わる。
伝えたい気持ちがあれば。

この循環はとてもとても美しいです。
教える、ということは教える方も学ばされることに他ならないのですね。

そして同時に、どこまでも悲しいです。
何故なら、「伝わる」と伝えているハナの本当の想いは伝わることがないのだから。
それでも、笑顔で折口先生を見送るハナに、その成長に、折口先生から貰った花を心に持ち咲かせ続けて生きるハナに、何とも言えず涙が込み上げて来ます。

とても可愛らしい絵柄ですが、語られるテーマは決して優しいことばかりではありません。
生きる苦しさ、辛さ、悲しさ、どうしようもなさ……
全てを包括し、打ち拉がれ挫折もあった上で、自分が自分であろうと、自分を好きであろうと、強く生きようとする人々が描かれる『花もて語れ』という物語を、私はこよなく愛しています。

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