ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~ 1巻
漫画:ハシモト 原作:松駒
自己責任という概念を
お買い上げ頂きたいものですね
ニーチェを専攻していた身としては、『無敵のツァラトゥストラ』(1巻65点)など、ニーチェ関係の漫画は無条件で押さえてしまいます。
もっとも、今作は特にニーチェが深く関係している訳ではありません。
Twitterで呟かれていたコンビニの奇人業務日誌が人気を博し、それがコミカライズされた作品です。
Togetterでのまとめも100万Vierオーバー。
2chまとめ書籍化の流れのTwitter版という感じでしょうか。
この実録モノは、文章だけでも面白いですが、漫画になってより素敵になっています。
新人バイト店員が
「お客様は神様だろうが!」
と怒鳴り散らす客相手に、
「神は死んだ」
と言い放ち「ニーチェ先生」と呼称されるように。
仏教系の学部に通っているらしいニーチェ先生の、ニヒリスティックで濃厚なキャラクターによる勤務・接客の数々に大いに笑わせて貰えます。

中でも一番好きなのは、ニーチェ先生がバンドをやっているという事で、パートを聞いたら
「木魚とベース」
との回答。
ライブに招待されたのでライブハウスまで行ったら、そこでは「般若心経 ロックアレンジVer」という完全なる未知の世界が広がっていたという件。
アンコールの、虚無僧姿で尺八を吹く姿に観客が咽び泣いている様がツボでした。
調子に乗って大量発注を繰り返すオーナーや、30までに宝くじが当たらなかったら人生を止めるという病んでしまった渡利先輩など、周囲を固めるキャラクターも濃いです。
奇矯な店員たちと、厄介な客の話がてんこ盛りの中、