HOPE
すえのぶけいこ
そうだ
わたしの大好きなもの
いちばんだいじな希望の光
…描こう
マンガを描こう
ドラマ化もされた『ライフ』、そして7月からドラマ放映の始まる『リミット』のすえのぶけいこ先生の最新作。
いきなり余談ですが、『ライフ』のドラマは漫画原作の実写化の中で久々に好きになれた作品です。
歩と羽鳥さんの絶妙な関係と、そして何と言っても最終回の名言「おめぇの席、ねえから!」のインパクトは絶大でした。
さて、「いじめ」、「サバイバル」と来て、今回は漫画家マンガです!
冒頭、出版社に漫画を持ち込む主人公ひかり。
その回想という形で、ただただ漫画が好きだった小学五年生の少女だった頃から日本一の漫画家を目指すようになるまでの物語が語られて行きます。
他に何も取り柄はなく、親が漫画の事を快く思ってなかったとしても、漫画に懸ける思いだけは本物。
少女漫画ながらこの迸るような気勢は、『ガラスの仮面』や『ちはやふる』を髣髴とさせます。
一方で、随所にすえのぶけいこ先生らしさは見て取れます。
まず、「イヤな奴だな~」と思わせる人物の造形が上手いですね。
例えば、ひかりの担任の先生。
言葉よりも拳よりも卑怯なやりかたで
こんなのはただの暴力です
こんな言葉を受けたら、大人になっても忘れられないでしょうね。
マンガを全否定し、あまつさえクラスメイトの前で破り捨ててしまう非道ぶり。
でも、実際こういう人もいるよな~と感じさせられるリアルさがあります。
生徒が自分の思い通りにならない苛立たしさをワンクッション描いているのが巧みです。
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美大生を目指す、絵描きの悠兄ちゃんとの出逢いが、傷付いたひかりの心を救う。
恋愛要素はかなり薄め。
恋愛物が苦手な男性でも入りやすいストーリーであると思います。
そして、『ライフ』さながらの女子の人間関係。
同じグループの子達に対し、意に反して付和雷同しなければ爪弾き者にされてしまう、という主人公の恐怖と葛藤をしっかりと描いて行きます。
マンガを全否定し、あまつさえクラスメイトの前で破り捨ててしまう非道ぶり。
でも、実際こういう人もいるよな~と感じさせられるリアルさがあります。
生徒が自分の思い通りにならない苛立たしさをワンクッション描いているのが巧みです。

美大生を目指す、絵描きの悠兄ちゃんとの出逢いが、傷付いたひかりの心を救う。
恋愛要素はかなり薄め。
恋愛物が苦手な男性でも入りやすいストーリーであると思います。
そして、『ライフ』さながらの女子の人間関係。
同じグループの子達に対し、意に反して付和雷同しなければ爪弾き者にされてしまう、という主人公の恐怖と葛藤をしっかりと描いて行きます。

ひかりの属するエリコのグループと対立する相澤さん。
しかし彼女もまた漫画を描く人間。
この出会いもまた、ひかりの運命を大きく変えて行く――
1話のラストは非常にベタですが、感動的でした。
漫画好きとしては、漫画が好きな女の子がその思いで人の為に頑張る姿を嫌いになれる筈がないという(笑)
最近の漫画家マンガというと、『バクマン』や『アオイホノオ』『僕の小規模な失敗』のようなクセのある作品が多いですが、今作はとてもオーソドックスな、漫画家をモチーフにしたマンガであると思います。
1巻はとても気になる引きで終わっており、続きが気になります。
早くも8月に2巻発売との事で、楽しみです。
75点。