
こんなはずでは
阿弥陀しずく
祥伝社on Blueコミックス
だってそれ
この先もずっと
幸せってことですよね?
昨年、『ちいさくともる』で商業デビューを果たした阿弥陀しずく先生が、二冊同時発売。
片方は、一般向け恋愛マンガの『からっぽダンス』、そしてもう片方がこのBL作品『こんなはずでは』です。
『からっぽダンス』と『こんなはずでは』には、それぞれの作品がクロスオーバーした後書きマンガも収録。
阿弥陀先生の作品はですね~、派手な絵柄や設定や展開ではないのですけれど。
何となく一つ一つの所作であったり機微であったりが可愛かったり滑稽だったり、それが何とも言えない心地良さを放っているのです。
そうして生まれる、作品全体を包む何とも言えない趣ある空気感が素敵なのです。
又、このシーンも好き。
天気のいい日にいつもの喫茶店の決まった席でホットサンドを食べる森さんが好きだ、としみじみ感じ入る安達。
こういう、何故だか解らないけれどその人のこの仕草が何となく好き、というのはありますよね。
他人からすれば謎ですけれど、いわゆるツボというヤツが。
一方で、他のシーンでは元気にもりもり食べる安達の姿を愛しそうに見つめる森の姿も描かれます。
美味しそうに物を食べる子って良いですよね。
安達と来たらどこまでも犬っぽい。
森は猫っぽい、というか実際ネコなんですが(おい)。
気怠そうに食べる森、にこにこ食べる安達。
やはり対照的ですが、それがいいカップルです。
安達と来たらどこまでも犬っぽい。
森は猫っぽい、というか実際ネコなんですが(おい)。
気怠そうに食べる森、にこにこ食べる安達。
やはり対照的ですが、それがいいカップルです。
そして、恋愛に発展するまでの描き方も良い。
じっくりコトコト煮込むように、少しずつ少しずつ丁寧に描いていかれます。
そこに生ずる一喜一憂は激しいものではないのですが、味わい深い。
ただ、そこに良さがきっちりと宿されている作品です。
このあっさり感に物足りなさを覚える人もいるかもしれませんが、私は良いBLを読めたという幸福感に満たされました。
犬っコロな後輩の攻め・強気の先輩が受けに回るというシチュエーションにグッと来る方、オススメです。
75点。