
ちくちくぬいぬい 1巻
ハザキ・ヤマト
いつか私も着た人の笑顔が
思わずこぼれるような服を届けてみたい
ずっとそう思っていた…
コミックEDENで1話と最終話付近を読んで頂けます。
アパレル業界の地味な部署を題材にした、良質な仕事マンガです。

ファッションデザイナーになろうとアパレル企業「シュシュトリコ」に就職した八谷美里(通称:はちこ)。
新入社員代表挨拶まで行いながら、配属されたのは業界でも最も地味な「生産管理部」という部署だった――
はちこが理想と現実のギャップに悩まされながらも、その中で奮闘していく姿や社会人的な人間関係の中で生じるドラマが描かれて行きます。
シュシュトリコのメインブランド5つの内、シオンのチーフデザイナー橘志音。
はちこは、志音の手掛けたドレスに感銘を受けたのが原体験となっており、志音に強い憧れを抱いていた。
そして、志音も初めからデザイナーだったのではなく、生産管理部を経由して今の立場にあるということを知らされ、自分の立場でできることを頑張って行こうとします。
はちこは素直で真っ直ぐな性格なので、頑張る姿は読んでいて気持ち良いですし、重大な仕事のミスを犯した時は苦しく、応援したく成ります。
新社会人の頃の気持ちを思い出させてくれるようなマンガではないでしょうか。
はちこ以外の同僚や同期のキャラもなかなか立っていて、良い味を出しています。
年齢非公開の優しくも厳しいお局真理子さんが好きです。
アパレル業界には馴染みが薄いですが、こういう工程で作られているのだな~、と為になりました。
自分の知識が薄い業界の仕事マンガって面白いです。
専門性が知識欲を刺激する一方で、仕事や人間関係の難しさの丁寧な描写は普遍的な共感を呼ぶでしょう。
安田産業のエピソードは迫るものがあります。
表紙でも描かれていますが、作中でデータ管理にフロッピーディスクを使ってるのは何故なんでしょうね。
未だに使っている所も意外とありますけれど。
絵も美麗で、読み易いマンガ。
試し読みでまずは一話を是非。
70点。