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魔法少女すずね☆マギカ1巻 見滝原アンチマテリアルズ1巻 叛逆の物語2回目雑感

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魔法少女すずね☆マギカ 1
GAN

3ヶ月連続全3巻の[新編]叛逆の物語1巻と同時発売(叛逆の物語は大絶賛映画放映中で、内容紹介はネタバレになるので是非劇場で見てください・笑)

『おりこ☆マギカ』『かずみ☆マギカ』『たると☆マギカ』に続く、新たな魔法少女を描く『まどか☆マギカ』の外伝です。

外伝とはいえ、原作スタッフ原案によるこれらの作品のストーリーは、本編を貶める粗製乱造のスピンオフでは決してなく、高品質のサイドストーリーとなっていて、まどマギファンの方にはお薦めです。
余談ですが、檀蜜さんがインタビューで『かずみ☆マギカ』が好きだと仰っていて、個人的にかなり好感度が上がりました(笑)


今回、単行本丸々一冊描き下ろしということで、事前に情報が無く期待と不安が入り混じっていたこの『すずね☆マギカ』ですが……

読んで安心。
今回も従来のまどマギ外伝作品の系譜にある面白いお話です。

正直、本の裏のあらすじも読まずに読み始めた方が楽しめると思うので、その辺をぼかしつつ紹介します。


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ヒロインは、タイトル通りスズネ。
住み込みで新聞配達をしつつ、茜ヶ咲中学に通う女の子。

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そして、彼女と4人の魔法少女がメインとなります。
私はマミさん的立ち位置の生徒会員・奏ハルカちゃんが好きです。
あと、マツリがうさぎのストラップを付けているのはポイント高いです。


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魔法少女達の前に立ちはだかる、イヌカレー空間や魔女も健在。


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そして、キュゥべえも実にキュゥべえらしく活躍。
キュゥべえ好きは注目です。


『まどか☆マギカ』本編と同じく、可愛らしい女の子達がシビアな世界観の下で自身の想いや願いとその淵源を見せながら戦っていく雰囲気が良いですね。
今後も期待しています。


70点。




みゃま


こちらは、マミさんとほむらちゃんが同居しているという設定で、二人を中心に描いた日常系のほのぼのストーリー。


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見滝原中学に存在する二人のファンクラブの存在、二人の身体交換ネタなど、微笑ましいエピソードが満載。

アンチマテリアルズという名前は、銃を武器に使う二人ですから、対物(アンチマテリアル)ライフルから来ているのでしょうねえ。
物騒な(笑)


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マミほむ中心ではありますが、まどか、さやか、杏子の出番もそれなりにあります。

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キュゥべえは割とギャグ要因(笑)

緩いマミさんとしっかりしたほむらちゃん、二人の性格の違いがいい感じに作用していますね。

基本的にギャグ話で、最後に少しシリアス系のお話も。

カバー裏に描き下ろし4コマ漫画あり。

平和な世界でまったりしている5人が見たい方にオススメです。


65点。



叛逆の物語2回目に行ってきたので、以下ネタバレで雑記を置いておきます。

















































勝手な解釈からどうでもいい些事まで。

・杏子とほむらが話しているシーンの背景のイスが高すぎる
普通のデザインならまずやらないというか、物理的に座るのが難しそうですが(笑)
まどマギ世界にあると全く違和感がないのが。
 しかし、高過ぎて座れない二つの椅子達、もしかしたらそれは同じ席に付けないほむらとまどかの暗示なのかもしれません。
作り話を聞く人形達や濁ったソウルジェムを髣髴とさせる飛行船、天井で行き詰まって外に出られないカラフルな風船など様々な暗喩に満ちたシーンですからね。

・背景でミット打ちをしているバレリーナ
よく見ると、踊ってるのではなくコンビネーションやハイキックの練習をしていました。
シャフトスタッフの遊びが垣間見えます。

・林檎を壁に投げつけている子供達はドイツ語で「神は死んだ」「神は死んだ」と言いながら投げている
元々、この言葉は神様が死んだという単純な意味ではなく、世界の中で規範とすべきありとあらゆる価値観が意味を持たなくなってしまった事を意味するのですが……
恐らくここではもっと単純に、神=まどかの神性の消滅を暗示しているのでしょう。

・ポッキーが登場
ポッキーの日である11月11日に観たのは丁度良かったな、と(笑)

・松実玄さんに似たクラスメイトがいる

一番右の列の一番後ろの子。
最後の登校シーンにも登場します。


・ほむらについての私の見解
ほむらがヤンデレと言われますが、そんな単純な言葉に押し込められるべき感情ではないと思うのです。10話のループが何百回何万回続いたか解りませんが(追記・虚淵玄さんによると最大で80年分だそうです)、それは既に人の領域を超えています。その果てに見付けたたった一つの答えですらも、まどかは犠牲にならざるを得なかった。
それは世界にとっては良くともほむらにとっては余りにも辛く苦しい途だった。それでも、ほむらは止むを得ず受け入れるしかなかった。そして、残された世界で魔獣との戦いに身を投じる。しかしながら、その戦いの最中にもほむらの胸中からまどかの面影が消えることは永遠に有り得ない。他の人の記憶には存在しないまどか。彼女と過ごした日々を、健気なあの笑顔を忘れる事なく永遠の時を託されたリボンと記憶を縁に戦いに興じる。その終わりなき修羅の道は、ほむらにとっては地獄以上に辛い。元来、ほむらは強い人間ではなかった。寧ろ、弱い人間であった。であればこそ。ほむらのソウルジェムが濁り魔女化してしまった事。そして、まどかの存在を望み干渉遮断フィールド内の魔女結界にまどかを呼び出した事。まどかの代わりに世界の理を書き換える悪魔になってしまった事。
それが明らかな自分勝手な欲望によるものだったとしても、まどかの救いを、神ではなく普通の女の子として家族や友達と普通の幸せを得る事をほむらは望む。一人の少女のその純なる願いを咎として責める事は余りにも酷であり、出来ないと私は思うのです。
ほむらはたとえそこに自分がいなくてもまどかが幸せでさえあればいいという覚悟が見えます。「まどほむ」とは言っても、究極的に二人はすれ違うのです。まどかかほむら、どちらかが神の代行者とならねばならない故に。その互いの犠牲的な愛の連なりがどこまでも尊く美しい。
ほむらは、余りにも報われていない。いえ、まどマギにおいて報われるキャラがそもそもほぼいない訳ですけど、それでも作品中で誰よりも孤独で永い戦いを続けて来たのは明らかにほむら。
そのほむらにとっての報い、それは自分が楽になる事ではなく、まどかが世界に対する重責を負わないこと。それはほむらの宿願であり、10話のループから何も変節していません。そして、遂にその悲願が叶ったのが叛逆の物語。たとえまどか自身に否定されようと。


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